ゴンダル(読み)ごんだる(英語表記)Gondar

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゴンダル」の意味・わかりやすい解説

ゴンダル
ごんだる
Gondar

エチオピア北西部の都市。エチオピア高原上の標高2250メートルに位置する。人口11万2249(1994)、40万0555(2019推計)。17~19世紀のエチオピア王国ゴンダル王朝の首都で、ファシリデス王が1632年に築いた城はいまも残っている。1954年エチオピア最初の医学校(公衆衛生大学)がここに開校された。周辺地域の農産物集散地で、皮革金属象牙(ぞうげ)細工などの産業が行われる。北東にラス・ダシャン山(4533メートル)、南にタナ湖がある。1979年、ゴンダル王朝の遺跡のあるファジル・ゲビ、ゴンダル地域が世界遺産の文化遺産(世界文化遺産)に登録されている。

[諏訪兼位]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゴンダル」の意味・わかりやすい解説

ゴンダル
Gondar

エチオピア北西部の都市。別綴 Gonder。タナ湖北岸近くの標高約 2300mの高地に位置。 1630~1860年エチオピアの首都。城壁で囲まれた旧市街や近郊には,歴代皇帝の宮殿跡などが残る。 17世紀の聖堂もあり,キリスト教コプト派のエチオピア教会の中心地。住民の大多数はキリスト教徒イスラムにもたびたび支配され,18世紀後半から 19世紀末の内戦の影響を多く受けた。 1936年イタリアに占領され,1941年イギリスにより奪回穀物家畜などの集散地で,金銀象牙細工,銅器,皮製品などの産業がある。 1979年近郊のファジル・ゲビが世界遺産の文化遺産に登録。人口9万 8352 (1989推計) 。

ゴンダル
Gondar

エチオピア北西部の地方。別綴 Gonder。国内最高峰のラスダシャン山(4533m)と国内最大のタナ湖がある。西方に向かうにつれ標高は低くなり,スーダンとの国境地帯は平野となる。主産物はコーヒーと綿花。中心都市はゴンダル。面積 7万3400km2。人口 356万3955(1991推計)。

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