サガリバナ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サガリバナ」の意味・わかりやすい解説

サガリバナ(下り花)
サガリバナ
Barringtonia racemosa

サガリバナ科の常緑高木。東南アジアから太平洋諸島熱帯亜熱帯に分布し,河岸河口の泥地などにマングローブ林をつくる。日本では奄美大島以南の琉球列島自生がみられる。高さ3~10mになり,よく分枝する。葉は枝先に集って互生し,倒卵形で長さ 10~30cm,先端はとがり質は厚い。枝の下部は落葉痕が目立つ。夏に,葉腋から 20~60cmもの長い花穂を下垂し,白色またはピンクの花を多数つける。花は径約 3cm,4~5枚の花弁とはなはだ多数のおしべがある。ゴバンノアシ (碁盤の足)と同属であるが,花序が長く垂れ,果実は多角錐状にはならない。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「サガリバナ」の意味・わかりやすい解説

サガリバナ
さがりばな / 下り花
[学] Barringtonia racemosa (L.) Spreng.

サガリバナ科(APG分類:サガリバナ科)の中高木。葉は枝先に束生し、ほぼ無柄、倒卵状長楕円(ちょうだえん)形で長さ10~30センチメートル。縁(へり)は波状で、若葉赤褐色を帯びる。総状花序は下垂して長さ約50センチメートルに達し、花は白ないし淡紅色。雄しべは多数、刷毛(はけ)状で長さ3~4センチメートル。果実は卵形で長さ約5センチメートル。マングローブ林の後背地や湿地に生え、奄美(あまみ)大島以南、および東南アジア、インドなど亜熱帯・熱帯地方に分布する。

[島袋敬一 2021年3月22日]

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