シャイナー(読み)しゃいなー(英語表記)Christoph Scheiner

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シャイナー」の意味・わかりやすい解説

シャイナー
しゃいなー
Christoph Scheiner
(1575―1650)

ドイツのイエズス会士、天文学者。シュワーベンに生まれる。1600年インゴルシュタット大学で哲学数学を修得し、1610年同大学教授。フライブルク大学教授、ローマ大学教授を経て、晩年イエズス会学院長を務めた。大学ではヘブライ語と数学を講じ、1611年ケプラー式望遠鏡を自作し、太陽面の拡大投影法を案出の結果、太陽黒点白斑(はくはん)を発見した。黒点水星金星と同様の公転小天体とみなした。黒点の本体について先取権で争った論敵ガリレイ教皇庁に異端者として告発したといわれる。主著は『熊(くま)のバラ』(1630)、そのほか『眼(め)の光学』(1619)、『縮図器械』(1631)がある。

[島村福太郎]

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改訂新版 世界大百科事典 「シャイナー」の意味・わかりやすい解説

シャイナー
Christoph Scheiner
生没年:1575-1650

ドイツの天文学者。イエズス会の学校で基礎教育を受け,同会に入会して司祭となった。インゴルシュタットで数学,天文学を研究,G.ガリレイとほとんど同じころ,望遠鏡を作製して,1611年3月に太陽の黒点を見つけた。イエズス会では懐疑的だったので,彼の友人であるウェスラーM.Weslerが匿名で,二度にわたってシャイナーの太陽黒点の確認,それの回転周期などを含んだ論考を発表した。シャイナーは当初,黒点を小惑星と考えた。13年,ガリレイは,シャイナーの黒点論を批判し,自分の黒点の発見の剽窃(ひようせつ)であると抗議している。その後天文学に関する数著を発表し,その分野での名声を確立した。フライブルク大学教授を経てイエズス会および教会の仕事に専念するかたわら,天文研究を続けた。のちに確定した彼の太陽黒点の回転軸の傾きを示す数値7°30′はかなり正確である。最終的にはコペルニクス説をとらなかったが,ガリレイの不当な非難にもかかわらず,ガリレイへの態度は終生冷静であった。
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百科事典マイペディア 「シャイナー」の意味・わかりやすい解説

シャイナー

ドイツの天文学者,数学者。望遠鏡で太陽像を投影して太陽面を観測することを考案,1611年ガリレイやファブリチウスとは独立に太陽黒点を発見,その移動から太陽自転の赤道傾斜角を求めた。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シャイナー」の意味・わかりやすい解説

シャイナー
Shiner, Ronald

[生]1903
[没]1966
イギリスの俳優。おもにロンドンの劇場に出演。第2次世界大戦中は放送で活躍した。

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世界大百科事典(旧版)内のシャイナーの言及

【黒点】より

…日本での最古の観測は《文徳実録》巻三に〈仁寿元年十一月甲戌(851年12月2日),日無精光,中有黒点,大如李子〉と記されている。
[望遠鏡による近代観測]
 望遠鏡による観測は1611年J.ファブリチウス,G.ガリレイ,C.シャイナー,ハリオットT.Harriot(1560‐1621)の4人によって幕あけした。その成果はG.ガリレイの《太陽黒点についての手紙》(1613)およびC.シャイナーの《Rosa ursina sive sol》(1626‐30)に著されている。…

【赤道儀】より

…ある天体を捕捉(ほそく)したら,赤緯軸は固定し,極軸だけを地球の自転速度と等速に東から西回りに回転すれば,望遠鏡はその天体を追尾して,長時間にわたる観測が可能となる。赤道儀の原理は,1629年にC.シャイナーが初めて太陽観測に使用し,1825年,J.vonフラウンホーファーがドルパト天文台に建設したものでほぼ完成の域に達した。【冨田 弘一郎】。…

※「シャイナー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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