シュワルツコップ(読み)しゅわるつこっぷ(英語表記)Elisabeth Schwarzkopf

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シュワルツコップ」の意味・わかりやすい解説

シュワルツコップ
しゅわるつこっぷ
Elisabeth Schwarzkopf
(1915―2006)

ドイツのソプラノ歌手。ドイツ帝国内のプロイセン(現ポーランドのヤロトシン)の生まれ。ウォルター・レッグと結婚後、イギリス国籍取得。ベルリンで学び、1938年同地でデビュー。42年指揮者ベームに認められ、翌年からウィーン国立歌劇場でモーツァルトオペラなどに多数出演、当初はコロラトゥーラ・ソプラノとして知られた。第二次世界大戦後は世界の主要歌劇場、音楽祭で活躍、51年にはベネチアストラビンスキーの『道楽者のなりゆき』の初演に加わった。ドイツ歌曲の解釈者としても優れ、シューベルトからウォルフに至る諸作品に、歌詞の情感を深く刻み込んだ解釈を樹立した。1968年(昭和43)以後のたび重なる来日や、カラヤン指揮のR・シュトラウス『ばら騎士』の映画により日本でも彼女の芸術は広く親しまれている。76年、演奏会活動を退く。レコード・プロデューサーの夫ウォルター・レッグとともに著した回想録『レコードうら・おもて On & Off the Record』(1982)がある。

[美山良夫]

『河村錠一郎訳『レッグ&シュヴァルツコップ回想録――レコードうら・おもて』(1986・音楽之友社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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