日本大百科全書(ニッポニカ) 「ショウロウ」の意味・わかりやすい解説
ショウロウ
しょうろう
Arthur Leonard Schawlow
(1921―1999)
アメリカの物理学者。ニューヨーク州マウント・バーノンに生まれる。3歳のときにカナダのトロントに移住、トロント大学で物理学を学び、1941年卒業した。第二次世界大戦中はマイクロ波のアンテナの開発に従事した。1945年トロント大学に戻り、1949年博士号を取得した。同年コロンビア大学の研究員となり、1951年にベル電話研究所(後のベル研究所)に移った。1961年スタンフォード大学の物理学教授に就任し、1991年まで務めた。その間、アメリカ光学会会長、アメリカ物理学会会長も務めた。
コロンビア大学でラービの指導で、タウンズとともにマイクロ波の研究に着手、メーザーの拡張としてレーザーの可能性について提唱したが、のちに1960年レーザー装置が発明された。レーザーを分光学の研究に利用、レーザー分光法の高分解能化、高感度分光化を進め、原子や分子のスペクトルの詳細な構造を解明した。1981年「レーザー分光学の発展への貢献」により、ノーベル物理学賞をブルームバーゲンと共同受賞。これは高分解能電子分光学の発展への寄与が認められたシーグバーンとの同時受賞であった。
[編集部]