ノウゼンカズラ科の高木で,羽状複葉のシダに似た,軟らかな感じのする葉をつける。花は藍色から紫色で釣鐘形をし,頂生する円錐花序に多数つき,樹冠をおおうように咲き美しい。熱帯,亜熱帯では街路樹,庭園樹として広く植えられている。熱帯アメリカに約50種が知られているが,そのうちブラジルジャカランダノキJ.ovalifolia R.Br.は高さ15mくらいになる高木で,葉は2回羽状複葉になり,長さ40cmくらい。長さ20~30cmくらいの円錐花序に40~90個に及ぶ花をつける。花筒部はやや膨らみ,先端は開張し,浅く5裂する。花筒部の長さ約5cm,花径約4cmくらいである。花は鮮明,濃い青色で下向きに咲く。ハワイでは5月を中心に2~8月に,また熱帯域では通常乾燥期の終りから雨季の初めに咲く。果実は莢(さや)状をなし,木質で,内部に薄い翼をつけた小さな種子が多数詰まっている。
オオバジャカランダノキJ.cuspidifolia Mart.は前種に似ているが,やや大型で,花や花序も大きい。花色は鮮明な藍色。日本でも暖地では戸外で越冬が可能である。繁殖は実生または取木で行う。日当りを好み,排水のよい土が適する。木はじょうぶである。
執筆者:古里 和夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
ノウゼンカズラ科(APG分類:ノウゼンカズラ科)ジャカランダ属の総称。低木または高木で熱帯アメリカに約50種分布する。J. acutifolia Humb. et Bonpl.はペルー原産で高さ約3メートル。葉は対生し、シダ状の2回羽状複葉で美しく、小葉は線状披針(ひしん)形で小羽片に5、6対つく。枝端に円錐(えんすい)花序をつくり、鐘形の青色花を開く。花期は、沖縄では5月。よく混同されるJ. mimosifolia D.Donはアルゼンチン原産で高さ15メートル以上に達し、早春に落葉。小葉は長楕円(ちょうだえん)状扁菱(へんりょう)形で毛があり、小羽片に12対以上ある。熱帯、亜熱帯の庭木または街路樹として広く植えられ、日本でも温暖な地域では野外で栽培される。
[小林義雄 2021年10月20日]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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