セントジェルジ(英語表記)Szent-Györgyi, Albert (von Nagyrapolt)

デジタル大辞泉 「セントジェルジ」の意味・読み・例文・類語

セント‐ジェルジ(Albert Szent-Györgyi)

[1893~1986]米国の生化学者。ハンガリーの生まれ。ビタミンC発見アスコルビン酸と命名。フマル酸細胞呼吸触媒として働くことを見いだし、1937年、ノーベル生理学医学賞受賞。また、筋収縮アクチンミオシンATPアデノシン三燐酸さんりんさん)の相互反応であることを発見。1947年に米国に亡命。著「分子下生物学入門」など。

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精選版 日本国語大辞典 「セントジェルジ」の意味・読み・例文・類語

セント‐ジェルジ

  1. ( Albert von Szent-Györgyi アルバート=フォン━ ) アメリカの生化学者。ハンガリー生まれ。組織呼吸について研究。ビタミンCの分離に成功した。筋肉のアクトミオシンの発見により一九三七年にノーベル生理・医学賞を受賞。(一八九三‐一九八六

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セントジェルジ」の意味・わかりやすい解説

セント=ジェルジ
Szent-Györgyi, Albert (von Nagyrapolt)

[生]1893.9.16. ブダペスト
[没]1986.10.22. マサチューセッツ,ウッズホール
ハンガリー生れの生化学者。ブダペスト大学組織学教授だった叔父から影響を受け,同大学で医学を学び,1917年に学位取得。ポジョニ大学,フローニンゲン大学で助手をつとめながら薬理学,生化学を研究。アジソン病の治療法を捜す途中で副腎のしぼり汁の中に還元物質を発見。 27年,ケンブリッジ大学の F.ホプキンズの研究所に移り,この還元物質の化学的性質を調べてヘキスロン酸と命名。 30年ハンガリーに戻り,セゲド大学医化学教授となる。それまでに壊血病を予防する物質の存在が知られており,ビタミンCと名づけられていたが,彼はヘキスロン酸がその物質と同一であることを発見 (1931) ,壊血病を防ぐ酸という意味をこめてアスコルビン酸と改めた。 35年に,フマル酸など有機酸が呼吸において重要な役割を果すことを解明,H.クレブズらによるクレブズ回路発見の下地を準備した。 37年,生体内酸化作用におけるビタミンCやフマル酸の働きを明らかにしたことによりノーベル生理学・医学賞を受賞。 39年筋収縮の研究を始め,筋肉から収縮に関係する蛋白質を取出してアクチンと命名。アデノシン三リン酸からエネルギーを受取ってアクチンが収縮することが,筋収縮の仕組みであることを発見 (43) 。共産主義に反発して 47年にアメリカに亡命。ウッズホールの海洋生物学研究所で筋収縮の研究を続けるかたわら,量子力学に基礎をおいた生化学の構築を試みて『分子下生物学入門』 Introduction to a Submolecular Biology (60) を著わした。 70年には,アメリカのベトナム侵略に反対して『狂ったサル』 The Crazy Apesを書き,人類存続の可能性に関する議論を展開して反響を呼んだ。

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化学辞典 第2版 「セントジェルジ」の解説

セント-ジェルジ
セントジェルジ
Szent-Györgyi, Albert

ハンガリー生まれのアメリカの生化学者.ブダペスト大学で医学を学び,1920年オランダのライデン大学薬学研究所助手,1922年同国Groningenの生理学研究所勤務ののち,1927年イギリスのケンブリッジ大学でF.G. Hopkins(ホプキンス)のもとで研究し,1930年ハンガリーのセゲド大学の医化学教授となる.第二次世界大戦中にブダペストにいながらスウェーデン国籍を取得し,ブダペストのスウェーデン大使館から多大の支援を受けた.戦後,ブダペスト大学医化学教授となる.1947年に渡米,1955年に帰化し,Woods Hole臨海実験所の筋肉研究所所長となる.副腎から分離されたアスコルビン酸がビタミンCであることの同定,および細胞の呼吸において,C4-ジカルボン酸が重要なはたらきをしていることを発見しクレブス回路解明への道をひらいた.1937年ノーベル生理学医学賞を受賞.1939年以後,筋肉収縮の生化学的研究を進め,1942年ガラス器内でアクトミオシンアデノシン5′-三リン酸により収縮させられることを発見し,筋肉収縮機構の解明に貢献した.

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改訂新版 世界大百科事典 「セントジェルジ」の意味・わかりやすい解説

セント・ジェルジ
Albert von Szent-Györgyi
生没年:1893-1986

ハンガリーの生理・生化学者。ブダペスト,プラハなどの大学で学び,オランダでアスコルビン酸(ヘキスロン酸,ビタミンC)と生体内の酸化還元反応におけるその役割を発見。この業績で1937年度ノーベル医学生理学賞を受けた。ついで筋収縮の研究に転じ,生体外で作ったアクトミオシンが,エネルギー源物質であるATPによって収縮することを発見し,分子レベルでの収縮機構研究の糸口を開いた。47年にアメリカに渡り,ウッズホール臨海実験所で活動。正誤とりまぜ多数の独創的理論をだした。第2次世界大戦時には反ナチの抵抗運動に参画した。
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百科事典マイペディア 「セントジェルジ」の意味・わかりやすい解説

セント・ジェルジ

ハンガリー生れの生化学者。ブダペスト大学等で医学,生理学を学ぶ。レモン,キャベツなどから抽出した物質がビタミンCであることを明らかにし,アスコルビン酸と命名。さらにジカルボン酸が呼吸に重要な役割をしていることを証明し,1937年ノーベル生理医学賞。第2次大戦中反ナチ運動に参画し,1947年米国に移住。ウッズホール臨海実験所内の筋肉研究所長として筋肉収縮の生理化学的研究に従事した。
→関連項目ホプキンズ

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「セントジェルジ」の意味・わかりやすい解説

セント・ジェルジ
せんとじぇるじ

セント・ジェルジー

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