プラトンの著作。ソクラテスが紀元前399年、アテネの法廷に訴えられ、裁判され、処刑されたときの法廷でのソクラテスの弁論を記したもの。最初の弁論、有罪の宣告後の弁論、死刑の宣告後の弁論の三部分からなる。ソクラテスの哲学の真髄であるとプラトンがみなすものを呈示し、これとソクラテスの告発・判決・死刑との関連を明らかにしたものとして注目される。プラトンによるソクラテス文学は、ときとして作者の創作を含むと考えられるが、この著作は歴史的にもおおむね忠実であるとみなされることが多い。文体としてはプラトンの作品中、白眉(はくび)の一つで、古来、ギリシア文学史上、散文文学の珠玉として重んじられてきた。
[加藤信朗]
『久保勉訳『ソクラテスの弁明・クリトン』(岩波文庫)』▽『山本光雄訳『ソクラテスの弁明他』(角川文庫)』
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プラトンの著作。「青年を腐敗させ国家の信ずる神々を信ぜずして新しき神を信ずる」という告発をうけたソクラテスがアテネの人々の前で無罪を主張するのがその内容。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
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