ドイツ騎士団(読み)ドイツキシダン(その他表記)Deutscher Orden; Teutonic Knights

デジタル大辞泉 「ドイツ騎士団」の意味・読み・例文・類語

ドイツ‐きしだん【ドイツ騎士団】

中世の三大宗教騎士団の一。第3次十字軍の際に創設されたドイツ兵救護のための病院起源とする。13世紀から14世紀にかけてドイツ東北部の植民と改宗運動を行い、プロイセン基礎を築いたが、次第に勢力が衰え、16世紀初頭に解体チュートン騎士団

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精選版 日本国語大辞典 「ドイツ騎士団」の意味・読み・例文・類語

ドイツ‐きしだん【ドイツ騎士団】

  1. 中世の三大宗教騎士団の一つ。一一八九年、第三次十字軍時代に小アジアで傷病者救護のために創設。一三世紀はじめから一四世紀にかけてドイツの東北、バルト海地方を開拓したが、一五世紀初頭から衰えはじめ、一五二五年にはルター派をいれて世俗公国となって、騎士団本来の使命を終えた。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドイツ騎士団」の意味・わかりやすい解説

ドイツ騎士団
ドイツきしだん
Deutscher Orden; Teutonic Knights

1198年十字軍時代,聖地に発生した三大宗教騎士団の一つ。チュートン騎士団とも呼ばれる。ラテン名 Ordo Domus Sanctae Mariae Teutonicorum。第3次十字軍のアッコン包囲の際,リューベック,ブレーメン出身のドイツ商人が 1190年に設立した病院がその発端となった。やがて他の団体と合併し有力となり,神聖ローマ皇帝から広大な領土寄進を受け,ドイツ帝国内の一勢力となった。 1226年ポーランドのマゾフシェ公コンラットの招きでワイクセル川下流の異教徒プロシア人征服,その後も領土を広げ,バルト海沿岸の一大勢力となった。 15世紀にポーランドと戦って敗れ,領土の西半分を奪われたうえ,残部の東プロシアもポーランド王の宗主権下に置かれた。 16世紀には宗教改革を行なって世俗領邦となり,後年プロシア王国の重要部分を形成した。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ドイツ騎士団」の解説

ドイツ騎士団(ドイツきしだん)
Deutscher Orden

十字軍時代に創立された宗教騎士団の一つ。テンプル騎士団聖ヨハネ騎士団と並び三大宗教騎士団といわれる。1190年第3回十字軍の際リューベックブレーメンの商人が建てた野戦病院が起源で,ドイツ諸侯により宗教騎士団として組織され,99年教皇認可を得た。施療奉仕からやがて異教徒との戦いを使命とするようになり,主にバルト海沿岸のスラヴ系民族のキリスト教化に努め,プロイセンの基を築いた。

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旺文社世界史事典 三訂版 「ドイツ騎士団」の解説

ドイツ騎士団
ドイツきしだん
Deutscher Orden

十字軍時代に設立された三大宗教騎士団の1つ
正確にはドイツ騎士修道会という。1190年,第3回十字軍の際,アッコンで傷病者救護のために設立された。13世紀にはドイツの北東,バルト海地方の異教徒改宗事業にのり出し,同時に進行していた東方植民運動の中心となってプロイセン地方を領有した。15世紀にはその教化事業も終わって存在理由を失い,1525年に世俗領主となり,のちのプロイセンの起源となった。

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デジタル大辞泉プラス 「ドイツ騎士団」の解説

ドイツ騎士団

中世ヨーロッパで組織された宗教騎士団のひとつ。12世紀末の第3次十字軍の際に創設されたドイツ兵のための病院を起源とする。「チュートン騎士団」とも。

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百科事典マイペディア 「ドイツ騎士団」の意味・わかりやすい解説

ドイツ騎士団【ドイツきしだん】

ドイツ騎士修道会

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世界大百科事典(旧版)内のドイツ騎士団の言及

【ドイツ騎士修道会】より

…十字軍時代に成立した騎士修道会の一つ。ドイツ騎士団とも呼ばれる。武装した騎士と修道士という本来矛盾する二つの性格を併せもった騎士修道会の出現は,ヨーロッパ中世後期の社会の混迷の一つの表現でもあった。…

※「ドイツ騎士団」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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