ダイアスポア(読み)だいあすぽあ(英語表記)diaspore

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ダイアスポア」の意味・わかりやすい解説

ダイアスポア
だいあすぽあ
diaspore

アルミニウム鉱石鉱物の一つ。ジアスポルともいう。ベーム石と同質異像関係にある。熱水変質起源の粘土鉱床、再結晶石灰岩緑色片岩エメリー中などに産し、また超塩基性岩中に脈をなすほか、ボーキサイトの主成分をなす。自形は柱面と錐(すい)面とからなる斜方短柱状、あるいはb軸に扁平(へんぺい)な板状をなす。日本では多く粘土鉱床中に産し、葉ろう石カオリナイトコランダムなどと産する。岡山県備前市三石(みついし)、広島県庄原(しょうばら)市勝光山(しょうこうざん)などは有名な産地である。英名はギリシア語の散乱を意味し、加熱によって結晶が飛散することに由来する。

加藤 昭]


ダイアスポア(データノート)
だいあすぽあでーたのーと

ダイアスポア
英名diaspore
化学式α-AlOOH
少量成分Mn3+
結晶系斜方(直方
硬度6.5~7
比重3.38
無、白、暗赤(含Mn相)
光沢ガラス
条痕
劈開一方向に完全、二方向に明瞭(「劈開」の項目参照
その他ベーム石(γ相)と同質異像

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダイアスポア」の意味・わかりやすい解説

ダイアスポア
diaspore

AlO(OH) 。斜方晶系,ベーム石族の鉱物。ジアスポアともいう。結晶は薄い板状で葉片状,葉片の集塊として産する。硬度 6.5~7,比重 3.35~3.45。ガラス光沢に富み,色は白または灰白色。ドロマイト,緑泥石片岩などから鋼玉とともに出る。耐火煉瓦などに使用される。

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