ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダヤン」の意味・わかりやすい解説
ダヤン
Dayan, Moshe
[没]1981.10.16. テルアビブ
イスラエルの軍人,政治家。 1936~39年のアラブ人による反ユダヤ活動の高まりの時期に,ユダヤ人の自衛を目的としてイギリス軍人 O.ウィンゲートにより組織された軍事組織に参加。第2次世界大戦中はドイツとイタリアによるパレスチナ侵攻にそなえて組織されたユダヤ軍団パルマーに加わり,レバノン戦線でフランス軍と交戦中,片目を失った。 48年のパレスチナ戦争ではエルサレム戦線司令官。 53~58年イスラエル軍参謀長。 58年軍籍を離れてエルサレムとテルアビブの大学に学び,59年マパイ党から国会議員に当選,D.ベングリオン首相のもとで農相となった。 64年 L.エシュコル首相と対立し,ベングリオンらとともにラフィ党を結成。 67年5月アラブとの緊迫した雰囲気のなかで,国民の要望に支えられて国防相に就任,六日戦争で圧倒的勝利をもたらし国民的英雄となった。 73年 10月の戦争では,アラブ側からの先制攻撃を許し,イスラエルがかつてない苦戦を強いられた責任を問われ,74年3月 G.メイヤー内閣の崩壊とともに辞職。落ちた偶像とはいえ,その後も右派勢力からは強い支持を受け,77年イスラエルの総選挙の結果,右翼政党のリクード党が政権を握ると外相として復活,79年辞任した。
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