日本大百科全書(ニッポニカ) 「ダルゴムイシスキー」の意味・わかりやすい解説
ダルゴムイシスキー
だるごむいしすきー
Александр Сергеевич Даргомыжский/Aleksandr Sergeevich Dargomïzhskiy
(1813―1869)
ロシアの作曲家。幼時から家庭で音楽教育を受けたが、一般教育はペテルブルグで受ける。1831~43年司法省に勤務。34年グリンカと出会い、作曲に専心する決意を固める。44~45年のパリ滞在で母国の音楽文化を自覚、55年に国民オペラ『ルサルカ』を完成した。社会批判の立場から、とくに声楽作品においてリアリズムの方向を打ち出し、ロシア語の抑揚を生かした新しい朗唱様式(未完のオペラ『石の客』で有名)を開拓、ムソルグスキーらに強い影響を与えた。
[寺本まり子]