チャーチ石(読み)チャーチせき(その他表記)churchite-(Y)

最新 地学事典 「チャーチ石」の解説

チャーチせき
チャーチ石

churchite-(Y)

化学組成YPO4・2H2Oの鉱物単斜晶系,空間群A2/a,格子定数a0.5627nm, b1.501, c0.615, β126.6°,単位格子中4分子含む。石膏と同構造。皮膜,放射繊維状構造をもつ球状,短冊状結晶の花弁状集合体,板状結晶集合体などとして産出劈開}完全,断口貝殻状。比重3.26(Yを置換する希土類元素により変動)。絹糸ガラス光沢,透明,無~雪白色・灰色。硬度3。徐熱により熱発光。薄片中無色,屈折率α1.600~1.623, β1.608~1.631, γ1.645~1.657, 2V(+)小。熱酸に可溶。熱水性銅鉱脈中の珪質岩表面の皮膜,あるいは天水の影響下にある褐鉄鉱鉱床中に,ハロイサイト質風化物中にゼノタイムの仮晶として産出。米国のバージニアの例では希土類元素の生化学的な濃集機構が考えられている。1865年に英国の化学者A.H.Church(1834~1915)によりCe族希土類の含水リン酸塩として記載,発見者にちなみ命名。一方,1923年に発見されたイットリウムの含水リン酸塩がドイツミュンヘン大学のE.Weinschenk(1865~1921)にちなみワインシェンカイトと命名されたが,ホルンブレンドの変種にも使われ混乱,のちにこれらは同一鉱物種と判明,IMA新鉱物鉱物名委員会により,churchite-(Y)が鉱物名として認定。

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出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「チャーチ石」の意味・わかりやすい解説

チャーチ石
ちゃーちせき
churchite-(Y)

イットリウム族希土の含水リン酸塩。結晶学的には石膏(せっこう)と同構造であることで知られる。自形は柱状、針状あるいは板状結晶が放射状集合を構成するが、皮膜状のものが多い。産状では堆積(たいせき)性層状鉄鉱床・花崗(かこう)岩質ペグマタイト・熱水鉱脈鉱床など、まったく異なった産状をもつことで有名である。日本では京都府京丹後(きょうたんご)市磯砂(いさなご)鉱山閉山)の花崗岩ペグマタイト中に産するフェルグソン石の分解物として少量を産する。日本では花崗岩質ペグマタイト中以外の産状は知られていない。堆積岩中の生成には地下水の循環あるいは生化学的に堆積岩や土壌から溶出されたリン酸分と希土類元素化合物が関与している。

 堆積岩中のものの共存鉱物は銀星石、バリシア石、ラブドフェン、クランダル石、モナズ石、水酸燐灰石(りんかいせき)、赤鉄鉱、針鉄鉱など。本鉱は白色皮膜状のものが多く、細粒の場合には観察同定は困難である。層状鉄鉱石中のものは水酸燐灰石と区別できない。命名は最初にこの鉱物の化学分析を行ったイギリスの化学者アーサー・ハーバート・チャーチArthur Herbert Church(1834―1915)にちなむ。

[加藤 昭 2017年9月19日]


チャーチ石(データノート)
ちゃーちせきでーたのーと

チャーチ石
 英名    churchite-(Y)
 化学式   Y[PO4]・2H2O
 少量成分  Ca
 結晶系   単斜
 硬度    3
 比重    3.11。希土類元素の内容次第で3.3ぐらいまで上がる
 色     無、白、灰。まれに肉紅色
 光沢    ガラス。ただし結晶粒が肉眼的な大きさの場合、劈開面上では真珠光沢
 条痕    白
 劈開    一方向に完全。ほかに平行四辺形の輪郭をつくる二方向に明瞭
       (「劈開」の項目を参照)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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