クランダル石(読み)クランダルせき(その他表記)crandallite

最新 地学事典 「クランダル石」の解説

クランダルせき
クランダル石

crandallite

CaAl3(PO4)(PO3OH)(OH)6 明ばん石上族,鉛ゴム石族鉱物の一種。三方晶系,空間群, 格子定数a0.7006nm, c1.6192, 単位格子中3分子含む。c軸方向にのびた三角柱状結晶ないし繊維状・粒状結晶の集合が球や玉髄状をなす。白~淡黄~灰色,透明~半透明,ガラス~土状光沢劈開{0001}に完全。硬度5,比重2.8~2.9。薄片では無色,屈折率ω1.60~1.622, ε1.61~1.631, 一軸性正。Caの位置はSr, Ba, Ce, Pbなどと,Alの位置はFe3と,Pの位置はAsなどと置換する。堆積岩中のバリシア石ノジュールに多産(米国ユタ州のいくつかの産地)のほか,珪質岩の割れ目(日本では高知県高知市高見町),熱水変質岩中(日本では群馬県吾妻郡嬬恋村奥万座)などに産する。名称は,米国人技師M.L.Crandall, Jr.にちなむ。

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参照項目明礬石上族

出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クランダル石」の意味・わかりやすい解説

クランダル石
くらんだるせき
crandallite

カルシウムアルミニウムの含水リン酸塩。クランダル石系鉱物の一員。明礬石(みょうばんせき)と同構造。自形立方体に近い菱面体(りょうめんたい)、あるいは三角柱。多く球状、皮膜状、あるいは不定形集合。堆積(たいせき)岩を構成することもある。リンおよびアルミニウムに富んだ堆積岩の構成成分をなし、またその割れ目に脈をなす。堆積岩中の団塊の主成分をなすこともある。酸性堆積岩の熱水交代産物として生成される。珪質(けいしつ)の広域変成岩の一成分をなすこともある。熱帯地方の沼沢地や浅海で、酸素に乏しい環境下で自生鉱物として沈殿することもある。ほかに、ある種のカーボナタイト(炭酸塩鉱物からなる火成岩)や花崗(かこう)岩質ペグマタイトから産するという報告もある。日本では群馬県吾妻(あがつま)郡草津(くさつ)町奥万座(おくまんざ)で酸性火砕岩の熱水変質産物の一つとして産する。また高知県吾川(あがわ)郡いの町勝賀瀬(しょうがせ)で堆積岩中に脈をなして産する。

 共存鉱物は他のクランダル石群鉱物、石英、粘土鉱物、燐灰石(りんかいせき)系鉱物など。同定は自形が出ていれば、底面に平行な劈開(へきかい)でわかる場合があるが、土状のものや団塊を構成するものはまったくわからない。なお、現世の堆積物から確認されたものは、副成分に富み、X線回折実験結果からは三斜晶系の対称が暗示されるため、別鉱物の可能性もある。命名はアメリカ、ユタ州在住ナイト・シンジケートKnight Syndicate所属の技師ミラン・L・クランドール・ジュニアMilan L. Crandall, Jr.にちなむ。

[加藤 昭]


クランダル石(データノート)
くらんだるせきでーたのーと

クランダル石
 英名    crandallite
 化学式   CaAl3[(OH)6|PO3OH|PO4]
 少量成分  Sr,Na,K,Mg,S
 結晶系   三方
 硬度    5
 比重    3.00
 色     白,淡黄灰,灰
 光沢    土状。結晶したものはガラス光沢
 条痕    白
 劈開    一方向に完全
       (「劈開」の項目を参照)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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