ティリー(その他表記)Samuel Leonard Tilley

改訂新版 世界大百科事典 「ティリー」の意味・わかりやすい解説

ティリー
Samuel Leonard Tilley
生没年:1818-96

カナダの政治家。ニューブランズウィックに生まれ,1850年政界入り。保守党に属し,ニューブランズウィック植民地首相(1861-65)として,同植民地のコンフェデレーション参加に尽力した。65年,ニューブランズウィック植民地議会選挙で反対派が勝利を収め,一時そのカナダ自治領参加は危ぶまれたが,翌年ティリーの復帰により実現して,彼はカナダ建国の父の一人となった。旧約聖書から〈ドミニオン〉の語を見いだしてカナダの国名(Dominion of Canada)につけ加えたのはティリーとされる。第2次マクドナルド内閣で蔵相を務め,〈ナショナル・ポリシー〉の遂行者となった。85年健康を害して公務より引退。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ティリー」の意味・わかりやすい解説

ティリー
Tilly, Johann Tserclaes, Reichsgraf von

[生]1559.2. ブラバント,ティリー城
[没]1632.4.20. インゴルシュタット
ドイツ,バイエルンの軍人。ブラバントの古い貴族の出身。イエズス会の教育を受け,のちスペイン陸軍に入ってネーデルラントで戦ったが,1610年バイエルン公マクシミリアン1世に請われてカトリック連合の総帥となる。 18年に三十年戦争が起ると,皇帝の要請でカトリック連合軍を率いてボヘミアの反乱の鎮圧に向い,20年プラハ付近ワイセルベルクの戦いで大勝を得た。 21~23年にファルツを制圧。 25年にデンマーク戦争が始ると,26年にルッターでデンマークのクリスチャン4世軍を破った。 30年ドイツ皇帝フェルディナント2世軍の最高司令官。 31年マクデブルクを攻略,シュレースウィヒ=ホルシュタインに侵入,ブライテンフェルトの戦いでスウェーデンのグスタフ2世に完敗。翌年レヒ河畔の戦いで致命傷を負って没した。

ティリー
Tilley, Samuel Leonard

[生]1818.5.8. ニューブランズウィック,ゲイジタウン
[没]1896.6.25. ニューブランズウィック,セントジョン
カナダの政治家。薬屋を経て 1850年ニューブランズウィック植民地下院議員に当選して政界入りし,61年には同植民地首相に就任。改革派たる自由主義者を代表していた彼は,沿海植民地の連合からひいては北アメリカにおける全イギリス植民地の連合を支持し,シャーロットタウン会議ケベック会議に参加,ニューブランズウィック植民地をコンフェデレーションに導いた。 67年連邦下院議員に選出され,初代関税相として入閣,73年には蔵相となった。 73年から 78年の J.A.マクドナルド下野の間はニューブランズウィック州の副総督をつとめたが,78年再び蔵相に返り咲き,保護関税「国策 (ナショナル・ポリシー) 」の実現に尽力した。その後健康を害して中央政界を退き,85~93年ニューブランズウィックの副総督に再び任命された。

ティリー
Thiry, Marcel

[生]1897. シャルルロア
[没]1977
ベルギーの詩人,小説家。フランス語で書く。 G.アポリネールを賞讃し,詩作品では,不調和な口語的言葉づかいによって自己の内的矛盾を強調し,異郷にある者の不安な感情を表現した。詩集に『疲労の彫像』 Statue de la Fatigue (1934) ,『海と静寂』 La Mer et la Tranquillité (38) ,『年齢』 Ages (50) ,『生命と詩』 Vie Poésie (61) など。小説では,正常と異常との境界で美しい虚構をつくり出している。おもな作品に『義なる人あるいはエレーヌの捜査』 Juste ou la Quête d'Hélène (50) ,『天の川』 Voie lactée (60) 。ベルギー王立フランス語文学アカデミー会員。

ティリー
Tilly,Charles

[生]1929
アメリカの社会学者,政治学者。ニュースクール・フォー・ソーシャルリサーチ社会変動研究センター所長などをつとめる。資源動員論のモデルに基づき,統計的手法を用いて,近代ヨーロッパの社会変動を分析する枠組みを示したことで知られる。主著『政治変動論』 From Mobilization to Revolution (1978) 。

ティリー
Tilley, Vesta

[生]1864.5.13. ウースター
[没]1952.9.16. ロンドン
イギリスの芸人。本名は Matilda Alice Powles。 1868年子役としてデビュー後,多くのミュージック・ホールや劇場に出演,パントマイムの少年役を演じて,ロンドンの人気をさらった。 1920年引退。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ティリー」の解説

ティリー
Johann Tserclaes von Tilly

1559~1632

三十年戦争におけるカトリック諸侯連盟(リガ)軍の将軍。スペイン軍に入ってオランダで戦ったことから頭角を現し,1610年連盟軍の将軍となる。ビーラー・ホラの戦いののちヴァレンシュタインとともに北ドイツを席巻,神聖ローマ帝国伯爵に叙せられ,皇帝と連盟軍の総司令官にも任じられるが,その後スウェーデン国王グスタフ2世アドルフに敗れ,32年戦傷死。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

367日誕生日大事典 「ティリー」の解説

ティリー

生年月日:1894年5月14日
イギリスの岩石学者,鉱物学者
1973年没

ティリー

生年月日:1818年5月8日
カナダの政治家
1896年没

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