改訂新版 世界大百科事典 「ティリー」の意味・わかりやすい解説
ティリー
Samuel Leonard Tilley
生没年:1818-96
カナダの政治家。ニューブランズウィックに生まれ,1850年政界入り。保守党に属し,ニューブランズウィック植民地首相(1861-65)として,同植民地のコンフェデレーション参加に尽力した。65年,ニューブランズウィック植民地議会選挙で反対派が勝利を収め,一時そのカナダ自治領参加は危ぶまれたが,翌年ティリーの復帰により実現して,彼はカナダ建国の父の一人となった。旧約聖書から〈ドミニオン〉の語を見いだしてカナダの国名(Dominion of Canada)につけ加えたのはティリーとされる。第2次マクドナルド内閣で蔵相を務め,〈ナショナル・ポリシー〉の遂行者となった。85年健康を害して公務より引退。
執筆者:大原 祐子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報