デジタル大辞泉
「ディアトリマ」の意味・読み・例文・類語
ディアトリマ(〈ラテン〉Diatryma)
ディアトリマ目ディアトリマ科の化石鳥。全長約1.5メートル。巨大なくちばしと長い脚をもち、飛ぶことはできなかった。第三紀初期の地層から化石が発掘される。
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ディアトリマ
- 〘 名詞 〙 ( [ラテン語] Diatryma ) ディアトリマ目ディアトリマ科の化石鳥。全長約一・五メートル。巨大なくちばしと長い脚をもち、飛ぶことはできなかった。第三紀初期の地層から発掘される。
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ディアトリマ
でぃあとりま
鳥綱ディアトリマ目ディアトリマ科に属する化石鳥の総称。この科Diatrymidaeはディアトリマ属Diatrymaの4種よりなる。そのうちの1種は、ほとんど完全な骨格が北アメリカの第三紀初期の地層から発掘された。頭高約2メートル、大きな足をもった巨大な鳥で、体はヒクイドリに似ていたと思われるが、足指は4本あった。ディアトリマの最大の特徴は、体と不つり合いに大きな頭骨と嘴(くちばし)で、嘴を含めた頭骨の全長は48センチメートル、嘴は長さ22.5センチメートル、嘴高(しこう)16.5センチメートルに及ぶ。この鳥がすんでいたのは、いまから6500万~5500万年前(第三紀の始新世のころ)と推定され、化石が北アメリカ、ドイツ、フランスで発見されている。その生態については形態から推定するほかないが、地上生で、明らかに飛ぶことはできなかった。多くの人は、ディアトリマの巨大な嘴は肉食のためであったと考えている。しかし、一部の学者は、ディアトリマとオウムの嘴が比較的よく似ていることから、ディアトリマは植物食で、堅い果実や芽をかみちぎって食べていたと想像している。とにかく、ディアトリマの繁栄していた時代は、ちょうど恐竜の時代が終わり、哺乳(ほにゅう)類はまだ比較的小形であったころで、この大きな鳥は怖いものなしに悠々と暮らしていたことであろう。ディアトリマの類縁関係ははっきりしていない。しかし、いちばん類縁がありそうなのは、南アメリカの第三紀中期から発見されるフォロルハコスPhororhacosである。この鳥はツル目ノガンモドキの仲間で、地上にすみ、ディアトリマのように巨大で飛ぶことはできず、頭と嘴も大きかった。ディアトリマもフォロルハコスも、子孫を残さずに絶滅した。
[森岡弘之]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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ディアトリマ
Gastornis giganteus; Diatryma
カモ目ガストルニス科。古第三紀の暁新世後期から始新世中期にかけて,北アメリカやヨーロッパに生息していた鳥類。ヨーロッパで発掘された化石はガストルニスと名付けられたが,不完全で,当初それらから再現される姿はディアトリマとはかなり異なるものだった。そのため,北アメリカで発掘されたときにガストルニスとは異なる名前を付けられた。しかし今日では,詳細な調査の結果,ガストルニスと同種であると考えられている。翼が退化し,頭高は 2m,頭長は 40cm以上もあって,嘴が硬く強大で,首が太く,頭部が巨大でティラノサウルスを彷彿させる。後肢は頑丈で,4本指を備え,大地を走り回った強力な肉食の鳥と考えられている。嘴はそれほど鋭いかぎ型にはなっていないが,すべて小型であった当時の哺乳類を捕食していたとされる。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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「ディアトリマ」の意味・わかりやすい解説
ディアトリマ
第三紀始新世の化石鳥類の一つ。体高2m,外観はダチョウに似る。翼は発達せず,飛べない。頭長は40cm以上,首が太く,体つきはたくましい。4本の指を備えた後肢は頑丈で,疾走するのに適していたと考えられる。強いくちばしは肉食の習性を示す。
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