デジタル大辞泉 「では」の意味・読み・例文・類語 で‐は[連語] [連語]《断定の助動詞「だ」の連用形+係助詞「は」》判断の前提を表す。…であるとすれば。…だと。「雨では中止になる」「彼ではだれも承知しないだろう」《格助詞「で」+係助詞「は」》…で。…においては。…を用いては。「今日では問題にされない」《接続助詞「で」+係助詞「は」》未然形に付く。㋐…ずには。…ないでは。…なくては。「さぶらは―あしかりぬべかりけるを」〈源・行幸〉㋑(「ならでは」の形で)…のほかには。…以外には。「かかる世の古事ふるごとなら―、げに何をか紛るることなきつれづれを慰めまし」〈源・蛍〉⇒ては[連語] で‐は[接] [接]《「それでは」の略》1 前述の事柄を受けて、それをふまえて次の事柄を導くときに用いる。それなら。「では、そうします」2 区切りをつけて、物事を始めたり終えたりすることを示す。「では始めよう」「ではこれまで」「ではさようなら」[類語]さては・それでは・そうすると・それなら・そうしたら・すると・とすると・とすれば・そんなら 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
精選版 日本国語大辞典 「では」の意味・読み・例文・類語 で‐は [ 1 ][ 一 ] 打消の意を含む接続助詞「で」に、係助詞「は」の付いたもの。…なくては。[初出の実例]「深き心ざしを知らでは、あひがたしとなむ思ふ」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))[ 二 ] 断定の助動詞の連用形「で」に、係助詞「は」の付いたもの。…であっては。…だと。じゃ(あ)。[初出の実例]「平家の侍どもといくさして死なんとこそおもひつれ共、此御きそくではそれもせんなし」(出典:平家物語(13C前)九)[ 三 ] 格助詞「で」に、係助詞「は」の付いたもの。…においては。…によっては。じゃ(あ)。[初出の実例]「我等はさすが東国では皆、人にしられて名ある者でこそあれ」(出典:平家物語(13C前)七)[ 2 ] 〘 接続詞 〙 ( 「それでは」の略 )① 前の事柄を受け、その事をふまえた上で後の事柄が生ずることを示す。それなら。[初出の実例]「遂に下宿と決心して宿所を出た。ではお勢の事は既にすっぱり思切ってゐるか、といふに」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉三)② 別れ際のあいさつのことばなどの冒頭に用いる語。前の事柄と直接の関係はない。それでは。[初出の実例]「では御大事にと、女に挨拶をして元気よく出て行った」(出典:三四郎(1908)〈夏目漱石〉一)③ 話題を転換するときに用いる語。前の事柄に対して区切りをつけて、挨拶を切り出したり、新たな話題に切り換えたりする。[初出の実例]「しかしそれ以上の説明はあなたには不必要に違ひありません。では五番目の龕の中を御覧下さい」(出典:河童(1927)〈芥川龍之介〉一四)ではの補助注記[ 一 ]の用法で、[ 二 ]と[ 三 ]との境界は必ずしも明らかにはし難い。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by