出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
歌舞伎(かぶき)舞踊。常磐津(ときわず)。本名題(なだい)『神楽諷雲井曲毬(かぐらうたくもいのきょくまり)』。3世桜田治助(じすけ)作詞。5世岸沢式佐(しきさ)作曲。西川巳之助(みのすけ)振付け。1846年(弘化3)1月江戸・市村座で、4世中村歌右衛門(うたえもん)のどんつく、12世市村羽左衛門の太神楽(だいかぐら)の親方などにより初演。初春を祝福する雑芸(ぞうげい)太神楽の風俗を描いた作だが、「どんつく」とよばれる田舎(いなか)者の下男が主役で、親方、笛吹きの男のほか、年礼の旦那(だんな)、芸者、白酒売りなど、いろいろな人物が登場する。親方の籠毬(かごまり)の振(ふり)から、芸者と旦那の振、そこへどんつくがおかめの面をかぶって割り込み、鈴の踊り、親方との黒赤尽くしの踊りなどがあって、総踊りで終わる。初演は上の巻「鵺(ぬえ)退治」から引き抜く趣向だった。
[松井俊諭]
出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報
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