バンヌ(その他表記)Bannu

デジタル大辞泉 「バンヌ」の意味・読み・例文・類語

バンヌ(Vannes)

フランス西部、ブルターニュ地方モルビアン県都市。同県の県都ブルターニュ半島南部、キブロン湾の内湾、モルビアン湾に面し、カキ産地として知られる。ローマ支配以前はガリアの中心地であり、9世紀に当時のブルターニュ地方の旧名であるアルモリカの首都が置かれた。旧市街には13世紀に建造された城壁サンピエール大聖堂をはじめ、歴史的建造物が数多く残っている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バンヌ」の意味・わかりやすい解説

バンヌ
Bannu

パキスタン北部,カイバル・パクトゥンクワ州中部のクラム川周辺の町。低い丘陵に囲まれた沖積平野の中心に位置し,域内をクラム川および支流のトチ川(ガンビラ川)が流れる。近郊には前3世紀頃のアクラ遺跡があり,古代から中世にかけて,インド亜大陸につながるクラム―バンヌルートは北西からの侵略者や開拓者たちに利用されていたとみられる。1848年にイギリス軍のハーバート・エドワーズ中尉によって軍事基地が創設され,同年にダリプナガル Dalipnagar,1869年にはエドワーズサバード Edwardesabadと名づけられたが,1903年に現名称となった。現在もインダス川からペシャワルおよびワジリスタンへと続く道路が分岐する軍事上の要地であり,商業の中心地でもある。なお,バンヌとインダス川は鉄道で結ばれている。1962年に竣工したクラム―ガリ開発計画により,灌漑,電力供給,治水対策が進められた。小麦,トウモロコシ,大麦が主産物。地場産業として毛織物工業などがある。ペシャワル大学の分校がある。住民の大多数はパシュトゥン人。人口 4万6896(1998速報値)。

バンヌ
Vannes

フランス西部,ブルターニュ半島にあるモルビアン県の県都。ナントの北西約 100km,モルビアン湾の奥に位置する商工業都市。 1532年ブルターニュのフランス統合宣言が,フランソア1世臨席のもとにこの地で行われた。丘にある古い町は 13~17世紀の城壁に囲まれ,港 (小型船のみ入港可能) や公共建造物のある新町域がその周囲にある。農業の中心地で,家畜飼料などを生産するほか,新産業開発地区ではタイヤ,プレハブ建材の製造,金工などが行われる。先史時代遺物の収集をもつ考古学博物館,10世紀にノルマン人によって焼かれ,13,15,16世紀に修復された聖ピエール大聖堂などがある。人口4万 8454 (1990) 。

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改訂新版 世界大百科事典 「バンヌ」の意味・わかりやすい解説

バンヌ
Vannes

フランス北西部,モルビアン県の県都。ブルターニュ半島南岸のモルビアン湾の奥に位置する商業都市。人口4万8000(1990)。ブルトン人のつくった古い町で,ブルターニュ公国を創立したノミノエNominoé(?-851)は当初この地を首都とした。ブルターニュ公国のフランスへの最終的統合が議決(1532)されたのもこの地である。13世紀に建築され後に改修された城壁とその内側の美しい町並みや大聖堂が残る。また,旧高等法院の建物(15世紀)が現在は考古学博物館となっている。農水産物の集散地であるが,近年は市の東部にミシュランのタイヤ工場などが進出し,工業化が進んでいる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「バンヌ」の意味・わかりやすい解説

バンヌ
ばんぬ
Vannes

フランス西部、モルビアン県の県都。人口5万1759(1999)。パリの西南西450キロメートルにあり、ブルターニュ半島南部、キブロン湾の内湾モルビアン湾に面する港町。カキ養殖や針金製造が盛ん。司教座の所在地で、士官学校などもある。ローマの支配を受ける以前はケルト系ベネティ人の中心地であった。845年ブリトン人のノミノエNominoë(800?―851)が西フランク王国のシャルル2世からブルターニュの独立的地位を獲得したのち、ブルターニュ公国の一部となった。1532年ブルターニュがフランスに併合されたが、その宣言は当地で行われた。旧市街は中世の城壁(13世紀完成)に囲まれ、サン・ピエール寺院(13世紀)をはじめ歴史的建造物も多く、観光都市ともなっている。

[高橋伸夫]

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