出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
フランス北西部,モルビアン県の県都。ブルターニュ半島南岸のモルビアン湾の奥に位置する商業都市。人口4万8000(1990)。ブルトン人のつくった古い町で,ブルターニュ公国を創立したノミノエNominoé(?-851)は当初この地を首都とした。ブルターニュ公国のフランスへの最終的統合が議決(1532)されたのもこの地である。13世紀に建築され後に改修された城壁とその内側の美しい町並みや大聖堂が残る。また,旧高等法院の建物(15世紀)が現在は考古学博物館となっている。農水産物の集散地であるが,近年は市の東部にミシュランのタイヤ工場などが進出し,工業化が進んでいる。
執筆者:田辺 裕
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
フランス西部、モルビアン県の県都。人口5万1759(1999)。パリの西南西450キロメートルにあり、ブルターニュ半島南部、キブロン湾の内湾モルビアン湾に面する港町。カキ養殖や針金製造が盛ん。司教座の所在地で、士官学校などもある。ローマの支配を受ける以前はケルト系ベネティ人の中心地であった。845年ブリトン人のノミノエNominoë(800?―851)が西フランク王国のシャルル2世からブルターニュの独立的地位を獲得したのち、ブルターニュ公国の一部となった。1532年ブルターニュがフランスに併合されたが、その宣言は当地で行われた。旧市街は中世の城壁(13世紀完成)に囲まれ、サン・ピエール寺院(13世紀)をはじめ歴史的建造物も多く、観光都市ともなっている。
[高橋伸夫]
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