マカダミア(読み)まかだみあ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マカダミア」の意味・わかりやすい解説

マカダミア
まかだみあ
[学] Macadamia integrifolia Maiden et Betche

ヤマモガシ科(APG分類:ヤマモガシ科)マカダミア属の果樹。本属には3種あり、オーストラリアのニュー・サウス・ウェールズクイーンズランドに自生する。本種は自生地の名をつけ、クイーンズランドナッツともよばれる。常緑高木で高さ10~15メートル。葉は革質で長さ10~25センチメートル、全縁または鋸歯(きょし)がある。花は長さ20センチメートルの総状花序につき、紅色で花径2.5センチメートル。果実は球状で堅く、径2~2.5センチメートル、表面は平滑である。種子白色芳香がある。この種子を塩炒(い)りしたものが市販マカダミアナッツで、ハワイがおもな生産地となっている。ナッツ100グラム中には720キロカロリーのエネルギーがあり、タンパク質8.3グラム、脂質76.8グラム、糖質10.2グラムが含まれる。またカルシウム15ミリグラム、リン550ミリグラム、鉄6.2ミリグラム、ナトリウム4ミリグラム、カリウム690ミリグラムで無機質に富み、そのほかビタミンB10.21ミリグラム、ナイアシン2.1ミリグラムも含まれる。かむととろけるほどで、きめが細かく、美味である。日本でも栽培可能ではあるが、浅根性のため風に弱く、台風の多い日本での経済栽培はない。

[飯塚宗夫 2020年4月17日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マカダミア」の意味・わかりやすい解説

マカダミア
Macadamia ternifolia; Queensland nut; macadamia

ヤマモガシ科の常緑高木。オーストラリア東南部原産。高さ 10~18m。葉は互生し,長楕円形または披針形で長さ 20~30cm,暗緑色光沢がある。花は白色で,長さ約 30cmの穂状花序につく。果実は球形で径 25mm内外,黒褐色に熟し,内部に1~2個の種子がある。種子は球形または半球形で茶褐色,径 15mm内外,脂肪分に富み最も美味なナッツの1つである。ハワイ島やキューバなどで大規模に栽培されている。果樹,庭園樹,並木とされ,材は紅色で美しく,家具材に用いられる。

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