マラカイトグリーン(読み)まらかいとぐりーん(その他表記)malachite green

デジタル大辞泉 「マラカイトグリーン」の意味・読み・例文・類語

マラカイト‐グリーン(malachite green)

塩基性染料の一。金属光沢のある青緑色結晶。絹・羊毛皮革を直接染色するが、日光アルカリに弱い。

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精選版 日本国語大辞典 「マラカイトグリーン」の意味・読み・例文・類語

マラカイト‐グリーン

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] malachite green ) 塩基性染料一種で、青緑色の色素木材・紙・雑貨などの染色や、指示薬・化学分析用試薬などに利用される。〔最新実用衣服と整容法(1928)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「マラカイトグリーン」の意味・わかりやすい解説

マラカイトグリーン
まらかいとぐりーん
malachite green

トリフェニルメタン系塩基性染料の一種で、青緑色の色素。青竹(あおたけ)ともいわれる。くじゃく石malachiteからつくられる顔料の色に似ることから、この名がつけられた。ベンズアルデヒドジメチルアニリンとを塩酸または硫酸の存在で縮合させ、ロイコベース(4,4'-ビスジメチルアミノトリフェニルメタン)を合成し、二酸化鉛と酸で酸化して得られる。絹、羊毛を青緑色に直接に染色するが、日光、アルカリに弱い。繊維用よりはむしろ、木材、紙、雑貨などの染色に、また、指示薬、化学分析用試薬などにも利用されている。水溶性であるので、金属塩などの沈殿剤で不溶性のレーキ顔料にかえて利用されることもある。

[飛田満彦]


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改訂新版 世界大百科事典 「マラカイトグリーン」の意味・わかりやすい解説

マラカイトグリーン
malachite green

青緑色の塩基性染料。青竹(あおたけ),岩緑青(いわろくしよう)などともいう。着色力の大きい美麗な染料であるが,耐光性は低い。ベンズアルデヒドとジメチルアニリンを塩酸または硫酸の存在で縮合し,生成物を二酸化鉛PbO2で酸化して製造する。通常はシュウ酸塩である。塩化亜鉛ZnCl2複塩にしたものもある。



以前は蚊帳や畳表の染色に用い塩基性染料として需要量が多かったが,現在は皮,紙,雑貨の染色,レーキ顔料の原料など特殊な用途にのみ用いられている。
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化学辞典 第2版 「マラカイトグリーン」の解説

マラカイトグリーン
マラカイトグリーン
Malachite Green

C23H25ClN2(364.92).C.I.Basic Green 4ともいう.青緑色塩基性染料.ベンズアルデヒドジメチルアニリンと縮合させてビス(p-ジメチルアミノフェニル)フェニルメタンを合成し,酸化後,塩酸処理すると得られる.水,エタノールに易溶(青緑色).λmax 616.9 nm.pH 2以下で黄色.絹,羊毛,ジュートの直接染料のほか,木綿のタンニン媒染,分析試薬,生体染色に用いられる.[CAS 569-64-2]

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色名がわかる辞典 「マラカイトグリーン」の解説

マラカイトグリーン【malachite green】

色名の一つ。JISの色彩規格では「こい」としている。マラカイトは孔雀石のこと。一般に、天然の孔雀石を原料とした顔料のような濃い緑色をさす。この顔料を日本では岩緑青いわろくしょうといい、その色を緑青色と呼ぶが、マラカイトグリーンよりもくすんでいる。また、この岩緑青を細かく砕くと白っぽくなり、そうしてできた色を白緑びゃくろくという。日本では奈良時代から使われている。

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百科事典マイペディア 「マラカイトグリーン」の意味・わかりやすい解説

マラカイトグリーン

代表的な青緑色の塩基性染料。マラカイト(クジャク石)の緑色にちなむ。ベンズアルデヒドとジメチルアニリンとを縮合して得られる。結晶は光輝ある板状晶。水,アルコールに易溶。麻や木綿をタンニン媒染で緑色に染める。皮,雑貨などの染色にも使われる。着色力はきわめて強いが,一般に日光には弱くてさめやすい。(図)

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世界大百科事典(旧版)内のマラカイトグリーンの言及

【クジャク石(孔雀石)】より

…モース硬度3.5~4のため,着用宝石としては耐久性の上でやや劣るが,印章や彫刻品,置物などには高価な製品がつくられている。この緑色はマラカイト・グリーンという色彩名称を生み,その粉末は古くから顔料,岩絵具として重要なものであった。主要産地は銅産出の多いコンゴ民主共和国,ザンビア,ナミビア,アメリカ,メキシコ,オーストラリアなどである。…

※「マラカイトグリーン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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