ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ムラビヨフ」の意味・わかりやすい解説
ムラビヨフ
Murav'ëv, Nikita Mikhailovich
[没]1843.5.10. イルクーツク,ウリコフスカヤ
ロシアの軍人,近衛大尉,デカブリスト。 1813~14年ヨーロッパにおける対ナポレオン戦に参加。 16年デカブリストの最初の秘密結社「救済同盟」の設立者の一人となり,21年「北方結社」のメンバーとなった。 22~25年未来のロシアの憲法の草案 (N.ムラビヨフの憲法) を起草,立憲君主制を意図した。デカブリストの蜂起のとき首都に不在で参加しなかったが,捕えられてシベリア流刑となり,この地で没した。
ムラビヨフ
Murav'ëv, Mikhail Nikolaevich
[没]1900.6.21. ペテルブルグ
ロシアの外交官,政治家。伯爵。ロシアの極東政策を推進し,日露戦争の勃発を招いた。 1864年外務省に入り,97年外相。満州 (現中国東北地方) への進出のためには遼東半島の旅順と大連の制圧が先決としてこれを奪取する政策を実施。 98年中国と協定を結び,旅順-ハルビン,ハルビン-ウラジオストク間の鉄道を敷設。イギリスとは互いに勢力範囲を設定して事なきを得たが,ロシアの朝鮮半島に対する脅威を恐れた日本とは関係が悪化,日露戦争を招来した。
ムラビヨフ
Murav'ëv, Nikolai Nikolaevich
[没]1881.11.30. パリ
ロシアの軍人,将軍。伯爵。 1847~61年イルクーツク,エニセイ県知事,東シベリア総督。 54~55年アムール川遠征隊を指揮し,58年中国との間に愛琿条約を結んだ。この功績によりアムールスキー伯の称号を受けた。
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