モレリア(英語表記)Morelia

デジタル大辞泉 「モレリア」の意味・読み・例文・類語

モレリア(Morelia)

メキシコ中西部、ミチョアカン州の都市。同州の州都。1541年、スペインの植民都市バリャドリードとして建設がはじまる。メキシコ独立運動の指導者ホセ=マリアモレロスにちなみ、1828年、現名称になった。モレリア大聖堂をはじめ、植民地時代の建造物の多くが赤みを帯びた石材で作られ、「ばら色の町」と称される。1991年、「モレリア歴史地区」として世界遺産(文化遺産)に登録された。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モレリア」の意味・わかりやすい解説

モレリア
Morelia

メキシコ南西部,ミチョアカン州の州都。メキシコシティーの西約 220km,メキシコ高原の南縁にあり,標高約 1940m。インディオのタラスコ族が住んでいた地に,1541年スペイン人によって建設され,初めバリャドリドと呼ばれた。植民地時代にはメキシコ最古の高等教育機関といわれるコレヒオ・サンニコラス (1540パツクアロに創立,1580モレリアに移転。現サンニコラス・イダルゴ大学) があったため,文化中心地として知られた。メキシコ独立戦争時には短期間ではあるが,独立運動の指導者 M.イダルゴ・イ・コスティリャの作戦基地となり,イダルゴの死後,運動を引き継いだ市出身の J. M.モレロス・イ・パボンを記念して,1828年改称。 16世紀以来広大な農業地帯を控えた商工業中心地として発展し,トウモロコシ,豆類,果実,サトウキビウシなどを集散,加工する。植民地時代の面影をとどめる美しい町で,スペイン・ルネサンス期の聖堂建築の代表作とされる大聖堂 (1640頃~1744) ,旧総督邸,水道橋 (1785) などが残る旧市街は,1991年世界遺産の文化遺産に登録。住民にはタラスコ族が多い。メキシコシティーとグアダラハラを結ぶ幹線道路が通る。ミチョアカン大学 (1939) が所在。人口 48万 9756 (1990推計) 。

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改訂新版 世界大百科事典 「モレリア」の意味・わかりやすい解説

モレリア
Morelia

メキシコ中央部,ミチョアカン州の州都。大都市域人口70万9941(2003)。標高1941m。年平均気温17.6℃,年降水量760mm。農業地帯の中心にある。植民地時代の面影を残す古都。1541年,初代副王メンドサにより建設され,彼の生地にちなんでバヤドリードと名づけられたが,1828年メキシコ独立の英雄J.M.モレロスの出身地であることを記念して現在名に改められた。西43kmのパツクアロPátzcuaro湖周辺は,タラスコ王国の地で,ツィンツンツァン遺跡がある。湖ではインディオにより蝶の形をした網で漁が行われ,民芸品に富む定期市とともに多くの観光客をひきつけている。また同湖周辺は植民地時代初期のV.deキロガによるユートピア建設の試みが行われた所としても知られる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「モレリア」の意味・わかりやすい解説

モレリア
もれりあ
Morelia

メキシコ中南部、ミチョアカン州の州都。人口54万9996(2000)。メキシコ中央高原の標高1940メートルに位置する。1540年スペイン人によって建設された町。植民地時代の景観を残す古都で、歴史地区は、1991年に世界遺産の文化遺産として登録されている(世界文化遺産)。「バラ色の町」の美称をもち、18世紀の水道橋、プラテレスク様式の大聖堂がある。独立運動の英雄モレロスの生地で、彼の学んだ古い大学や、シケイロスの壁画「モレロスの死」がある。漆塗りの箱、ギター、素焼食器が特産品である。

[高木秀樹]


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百科事典マイペディア 「モレリア」の意味・わかりやすい解説

モレリア

メキシコ中央部,ミチョアカン州の州都。メキシコ市の西約220km,標高1900mの高原にある都市。農牧地帯の中心。ソカロ広場を中心に1640年建設の教会堂,コレヒオ・デ・サンニコス(ミチョアカン大学の前身),石造の水道橋などの建造物が数多く残っていて,古都(1541年創設)の面影をとどめている。歴史地区は1991年,世界文化遺産に登録。59万7511人(2010)。

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世界大百科事典(旧版)内のモレリアの言及

【モレロス】より

…独立戦争はこの時期から停滞し,21年にようやく達成された。彼をたたえ,生誕地バヤドリードはモレリアと改名された。【大垣 貴志郎】。…

※「モレリア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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