日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヤウンデ」の意味・わかりやすい解説
ヤウンデ
やうんで
Yaoundé
アフリカ中部、カメルーンの首都。同国のドゥアラに次ぐ大都市で、人口124万8200(2001推計)、181万2169(2010推計)。同国南部内陸の標高750メートル前後の高原に位置する政治、文化の中心地であり、中央官庁、大学(国立ヤウンデ大学、ミッション系など数校の私立大学)、研究機関などが集中している。経済的地位はドゥアラのほうが高いが、ヤウンデはカカオ栽培地域の中心地で、内陸における物資の集散地である。街はずれにビール、たばこ、カカオなどの工場があるが、工業は盛んではない。農村地域からの人口流入が続き、住宅が不足ぎみである。周辺部に出身地方別の密集した市場や居住区があり、高層化の進む官庁街、商業区とは対照をなしている。1993年、南方約15キロメートルのンシマレンNsimalenに国際空港が開港し、アクセスが便利になった。町の基礎は、1888年ドイツ領時代に熱帯降雨林を切り開いてつくられた。1921年以降、1940~1946年を除きフランス領カメルーンの首都で、1960年の独立後も引き続き首都となっている。
[門村 浩]