リトル・ロック(読み)りとるろっく(英語表記)Little Rock

日本大百科全書(ニッポニカ) 「リトル・ロック」の意味・わかりやすい解説

リトル・ロック
りとるろっく
Little Rock

アメリカ合衆国アーカンソー州中央部の都市で、同州の州都。人口18万3133(2000)。アーカンザス川に面した河港で、同州の政治、商業、交通、文化の中心地である。周囲の農業地帯で生産される米、大豆、綿花肉牛ブロイラーの加工、および木工、殺虫剤、肥料、繊維、金属の工業が発達しているほか、近くではボーキサイトも産する。アーカンソー準州が形成された1819年にはアーカンザス川の渡し場の集落であったが、セントルイスから南西地域へ向かう開拓道路の宿駅として発達し、21年にアーカンソー準州の州都となった。1831年に町となり、36年にアーカンソー準州が州に昇格すると同時に州都となった。公立学校における白人・黒人分離教育を違憲とした1954年の合衆国最高裁判所の判決に基づき、57年に黒人の高校入学を守るため同市に合衆国軍隊が派遣され、世界の注目を集めた。フィランダー・スミス大学、ショーター大学、アーカンソー大学リトル・ロック校の医学・薬学法学部がある。

[菅野峰明]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リトル・ロック」の意味・わかりやすい解説

リトルロック
Little Rock

アメリカ合衆国,アーカンソー州の州都。ウォシトー山地の麓,アーカンソー川の南岸にある。鉄道網の拡大により商工業が発展。石炭,石油,天然ガスのほか,ボーキサイトなどの地下資源が豊富。 1969年アーカンソー川の水路化によって河港となった。食用油,家具などの工業がある。州成立前後に建てられた議事堂で有名。州立精神病院,アーカンソー大学 (法学部) ,ロビンソン記念講堂などがある。 57~59年州政府と合衆国政府が対立を起した黒人差別廃止問題で世界の注目を集め,連邦軍が投入されて,州政府は人種隔離政策を放棄させられた。人口 19万3524(2010)。

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