ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ルヌービエ」の意味・わかりやすい解説
ルヌービエ
Renouvier, Charles Bernard
[没]1903.9.1. プラド
フランスの哲学者。 1834~36年エコール・ポリテクニクで数学を学び,A.クールノと A.コントの影響を受けた。初めは社会主義的立場から政治的活動を行なったが,51年末ナポレオン3世のクーデター後は哲学的著述に専念。 67年月刊誌『哲学年報』L'Année philosophiqueを創刊。 1900年道徳政治学アカデミー会員。カントの批判的精神の復興を主張するとともに,実証主義的要素をも加えて批判主義を徹底させたので,「新批判主義」とも呼ばれる (→批判哲学 ) 。徹底的個人主義をとりつつ人間や集団間の抗争を悪とみなし,教育によって個人の自由が完全に発現されれば,全的平和が訪れるとした。主著『一般批判試論』 Essai de critique générale (4巻,1854~64) ,『新単子論』 La nouvelle monadologie (99) ,『人格主義』 Le personnalisme (1902) など。
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