病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 「ループ性利尿剤」の解説
ループ性利尿剤
《アゾセミド製剤》
アゾセミド(長生堂製薬、日本ジェネリック)
ダイアート(三和化学研究所)
《トラセミド製剤》
トラセミド(寿製薬)
トラセミドOD(アステラス製薬、トーアエイヨー)
ルプラック(大正ファーマ、田辺三菱製薬)
《ブメタニド製剤》
ルネトロン(第一三共)
《フロセミド製剤》
オイテンシン(サノフィ、日医工、日医工サノフィ)
フロセミド(エルメッド、エーザイ、コーアイセイ、江州製薬、シオノケミカル、東和薬品、ニプロ、日本ジェネリック)
ラシックス(サノフィ、日医工、日医工サノフィ)
心性
フロセミド製剤は、作用が強力で、服用後の効果が速く現れます。ほかの利尿剤を使用して効果がなかった場合や腎障害がある人にも適し、尿路結石の排出を促進するためにも使います。利尿効果が持続する時間が6~8時間と短いため、薬による利尿の調節がしやすい点が長所です。トラセミド製剤は、利尿作用が強く、低カリウム血症の副作用がおこりにくい薬で、心性浮腫、腎性浮腫、肝性浮腫に効果があります。
①過敏症状(
そのほかにフロセミド製剤では、中毒性表皮
トラセミド製剤では、肝機能障害、
アゾセミド製剤では、電解質異常、無顆粒球症、白血球減少が現れることがあります。
ブメタニド製剤では、脱水症状が現れることがあります。
このような症状が現れたときは、使用を中止して、医師に相談してください。
②肝機能障害・腎機能障害、電解質失調(低ナトリウム血症・低カリウム血症・低クロル性アルカローシスなど)などが現れることがあります。
指示された検査は必ず受けてください。
③吐き気・
①錠剤と細粒、カプセル剤で、食後の服用が原則です。夜間の睡眠が妨げられるのを避けるためには、昼間に服用したほうがよい場合もあります。
1日の服用回数と服用時間・1回の服用量については医師の指示を守り、かってに中止したり、増量・減量しないでください。
使用中は利尿効果が急激に現れることがあるので、脱水症状に注意し、続けて長期に服用する場合、指示された診察や検査は必ず受けてください。
また、服用するときは十分な水(コップ1杯以上の水)で飲んでください。
②あらかじめ問診の際に、持病・アレルギーなどの体質・現在使用中の薬の有無を医師に報告してください。
とくに無尿の人、肝性昏睡がある人、体液中のナトリウム・カリウムが明らかに減少している人、スルフォンアミド誘導体に対して過敏症の既往歴がある人は使用できません。
進行した肝硬変症がある人、重い肝硬化症または冠動脈硬化症、腎機能障害、肝疾患・肝機能障害がある人、手術前の人、ジギタリス製剤、副腎皮質ホルモン剤や副腎皮質刺激ホルモン剤を使用中の人、交感神経切除術を受けた人、下痢・嘔吐がある人、減塩療法を行っている人、本人または両親・きょうだいに痛風や糖尿病がある場合などは、あらかじめ医師に報告してください。
③妊婦、現在妊娠している可能性のある人、母乳で授乳中の人は、あらかじめその旨を必ず医師に報告してください。
④飲酒によって起立性低血圧をおこすことがあります。飲酒の習慣がある人は、あらかじめ医師に相談してください。
⑤ほかの薬を使用する必要が生じたときは、前もって必ず医師に相談してください。
とくにほかの降圧剤、抗凝血剤、抗生物質、ジギタリス系強心剤、副腎皮質ホルモン剤、糖尿病治療剤、バルビツール酸系催眠鎮静剤、モザバプタン塩酸塩製剤などと併用するときには、医師の指示をより厳重に守ってください。トラセミド製剤は、テルフェナジン製剤を使用中の人には使えません。
また、利尿剤は、ほかの薬の成分の排泄も促して、薬の効果が持続する時間を短くしてしまいます。
出典 病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版について 情報