レチノイド製剤(読み)レチノイドセイザイ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 「レチノイド製剤」の解説

レチノイド製剤

製品名
《タミバロテン製剤》
アムノレイク(東光薬品工業、日本新薬)
《トレチノイン製剤》
ベサノイド(富士製薬工業)
《ベキサロテン製剤》
タルグレチン(ミノファーゲン製薬)

 ビタミンA活性代謝物を成分とする薬で、白血病細胞の増殖を抑える作用などがあり、トレチノイン製剤急性前骨髄球性白血病の治療に用いられます。タミバロテン製剤再発または難治性の急性前骨髄球性白血病の治療に用います。ベキサロテン製剤は、皮膚T細胞性リンパ腫の治療に用いられます。


発疹ほっしんなどの過敏症状が現れることがあります。過敏症状が現れたときは服用を止め、すぐ医師に報告してください。


②レチノイン酸症候群(発熱、呼吸困難、胸水がたまる、間質性肺炎、肺うっ血、低酸素血症などの症状)、白血球増多症、脳梗塞などの血栓症、血管炎、感染症、錯乱タミバロテン製剤では、横紋筋融解症、縦隔炎が現れることがあります。また、ベキサロテン製剤では脂質異常症、膵炎、下垂体性甲状腺機能低下症、低血糖、白血球減少症、好中球減少症、貧血肝不全、肝機能障害、感染症、間質性肺疾患、血栓塞栓症、横紋筋融解症が現れることがあります。〔「副作用と対策」参照〕。このような症状が現れたときは服用を止め、すぐ医師に報告してください。


 また、せき、咽頭炎、皮膚の乾燥、皮膚炎、唇の乾燥、口内炎、肝機能異常、腎障害、頭痛、めまい、不安、ねむけ、食欲不振、腹痛便秘下痢吐き気嘔吐おうと、背中の痛み、悪寒おかん、疲労感、全身倦怠感けんたいかんなどが現れることがあります。


①カプセル剤と錠剤です。1日の服用回数・時間・服用量など、医師・薬剤師の指示をきちんと守ってください。


②これまでにこの薬で重い過敏症状をおこしたことのある人は、使用できません。


ビタミンA剤を服用している人、ビタミンA過剰症の人、妊婦または妊娠している可能性がある人などは、この薬を使用することができません。さらに、トレチノイン製剤では肝障害や腎障害のある人、ベキサロテン製剤では重い肝障害の人も、この薬を使用することができません。また、トレチノイン製剤は、25歳以下の人(とくに幼・小児)、低出生体重児、新生児、乳児、糖尿病、肥満アルコール中毒脂質代謝に障害のある人、高齢者などは、この薬の使用にあたって十分な注意が必要です。タミバロテン製剤では、骨の成長が終了していない可能性がある人や、フィブラート系製剤を用いている人、ベキサロテン製剤では、膵炎の病歴または危険因子のある人は、医師に相談してから用いてください。


 ベキサロテン製剤では光線過敏症をおこすことがあるので、使用中は日光紫外線の照射を避けるようにしてください。


 ビタミンA剤と併用すると、ビタミンA過剰症と似た症状が現れることがあります。また、抗てんかん剤のフェニトイン製剤との併用により、フェニトインの効果が低下することがあります。

出典 病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版について 情報

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