アイアイ(読み)あいあい(英語表記)aye-aye

翻訳|aye-aye

日本大百科全書(ニッポニカ)「アイアイ」の解説

アイアイ
あいあい
aye-aye
[学] Daubentonia madagascariensis

哺乳(ほにゅう)綱霊長目アイアイ科の動物。別名ユビザルともいう原猿で、1科1属1種。マダガスカル島の固有種で、北東部および北西部の多雨林に分布する。頭胴長約40センチメートル、尾長50~60センチメートル。短い毛と長い剛毛が混生し、暗褐色ないし黒色で、顔の一部と胸は白っぽい。尾はふさふさとしており、目と耳介は大きい。鼻口部が特異でリスのように突出し、歯式は

で18本。門歯は上下とも1対しかないがよく発達し、一生伸び続ける。指は長く、後肢の第1指はやや対向性を示して平(ひら)づめがあるが、ほかの指にはすべて鉤(かぎ)づめがある。おもに果実と昆虫の幼虫を食べる。前肢の第3指はとくに細長くしなやかで、樹皮下の穴にすむ昆虫の幼虫を探り出すのに役だつ。幼虫をみつけると、門歯で樹皮をはがし、この指を差し入れてかき回す。こうして幼虫をつぶし、繰り返し指につけてすばやく口に運ぶ。ココヤシの果肉も同じようにして食べる。1産1子で、出産期は10~11月。単独生活者で完全な夜行性。高い樹上の木のまたに直径約50センチメートルの球形の巣をつくり、昼間はその中で眠る。かつては同島東部と西部の海岸域に広く分布したが、森林伐採などにより激減した。1966年から北東部の小島に設けられた特別保護区で、増殖が計画されている。

[上原重男]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「アイアイ」の解説

アイアイ
Daubentonia madagascariensis; aye-aye

霊長目アイアイ科。別名ユビザル体長 40~45cm。体は暗褐色ないし黒色の長毛でおおわれる。手の第3指が特別に細長くなっているのが特徴。木のや葉を集めて樹上をつくる。夜間活動し,昆虫類,鳥卵などの動物質のほか,レイシやココナッツなどの果実も食べる。1属1種で,マダガスカル島固有種。名は鳴き声に由来する。

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百科事典マイペディア「アイアイ」の解説

アイアイ

ユビザルとも。霊長目アイアイ科の原。体長40cm,40cm。体毛は密生し,黒褐色で,長い粗毛がある。マダガスカル島東海岸に分布。単独または1対で多雨林にす,大木のまたに枯葉で巣を作る。夜行性。昆虫幼虫,果実を食べ,特にサトウキビの汁を好む。門歯はネズミ類に似る。
→関連項目サル(猿)

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精選版 日本国語大辞典「アイアイ」の解説

アイ‐アイ

〘名〙 (aye-aye) マダガスカル島産の原猿類の一種。一族一種でアイアイ科をなす。叫び声がアイアイと聞こえる。体長約四〇センチメートル、尾長約四〇センチメートル。体は暗褐色。目、耳は大きい。手足の指、特に手の中指が著しく長い。ゆびざる。

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デジタル大辞泉「アイアイ」の解説

アイ‐アイ(aye-aye)

《その鳴き声から》アイアイ科の原始的な猿。頭胴長40センチくらいで、尾が長い。長い指は鉤爪(かぎづめ)をもち、樹皮下の昆虫を掘り出して食う。マダガスカル島にのみ生息。指猿(ゆびざる)。

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世界大百科事典 第2版「アイアイ」の解説

アイアイ【aye‐aye】

霊長目キツネザル下目アイアイ科の原猿で,1科1属1種のきわめて珍しい動物である(イラスト)。マダガスカル島の東部と北西部の熱帯降雨林に生息し,完全な夜行性の単独行動者である。日中は枝をからみ合わせてつくったわん状の大きな巣の中で寝ている。昆虫の幼虫が主要な食物で,果実も食べる。出産は年1回で1産1子である。体の大きさはネコ程度で,頭胴長が40cm,尾は60cmほどある。体色は黒っぽいが,顔から胸,にかけて黄色みを帯びた白毛で覆われている。

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