出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
EC 3.1.1.7.アセチルコリンのエステル結合を切断する酵素.
アセチルコリン + H2O → コリン + 酢酸
アセチルコリン作動性ニューロンでは,神経終末からシナプス間げきに向かってアセチルコリンが分泌され,次のニューロンに情報が伝えられるが,情報がいつまでも伝わり続けないようにする仕組みが備わっている.その一つがアセチルコリンエステラーゼによる分解である.化学兵器や農薬として用いられている有機リン化合物は,本酵素の阻害剤で神経毒としてはたらく.活性中心にセリンを有する点で,タンパク質分解酵素のセリン酵素と似ている.神経系のほか肝細胞でも合成され,血液中に分泌されている.肝障害の早期から血中濃度が低下するので,肝機能検査に利用されている.[別用語参照]サリン[CAS 9000-81-1]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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