ARTEMIS(読み)アルテミス(英語表記)Artemis

翻訳|Artemis

デジタル大辞泉 「ARTEMIS」の意味・読み・例文・類語

アルテミス【ARTEMIS】[advanced relay and technology mission]

advanced relay and technology mission》2001年にESA欧州宇宙機関)が打ち上げたデータ中継衛星静止軌道に配置され、同機関の地球観測衛星ATV欧州補給機)との通信利用。2005年に日本の通信衛星きらりとの間で、距離数万キロメートルを隔ててレーザー光による光通信に成功した。

アルテミス(Artemis)

ギリシャ神話で、狩猟の女神。ゼウスレトの子で、アポロンの双生の妹。若く美しい処女の狩人で、月の神。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ARTEMIS」の意味・読み・例文・類語

アルテミス

  1. ( [ギリシア語] Artemis ) ギリシア神話の女神。オリンポス十二神の一。ゼウスとレトの娘。アポロンの双生の妹。若く美しい処女の狩人で、月の神。山野を支配し、誕生、多産、子供守護神である。ローマ神話ではディアナ

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「ARTEMIS」の意味・わかりやすい解説

アルテミス
Artemis

ギリシア神話の狩猟の女神,また月の女神。ローマ神話のディアナDiana(英語読みでダイアナ)にあたる。ゼウスとティタン神族のレトの娘で,アポロンの双生の妹。オルテュギア(〈ウズラの里〉の意)と呼ばれていた浮島(のちのデロス島)で,非常な難産の末に生まれた。このためアルテミスは,やがてオリュンポスの十二神の列に加えられたものの,独身を通す許しを父神から得,彼女にならって純潔をまもることを誓わせた一群のニンフたちとともに,もっぱら山野に狩りをして時を過ごした。しかしニンフのひとりカリストKallistōは,ゼウスに愛されて一子アルカスArkasを生んだので,女神(またはゼウスの后のヘラ)の怒りにふれて熊に姿を変えられ,のちこの母子は大熊,小熊の星座となった。また高名な猟師アクタイオンAktaiōnは,狩りの最中,水浴中の女神の裸身を目にしたため鹿に変じられ,みずからの犬どもに八つ裂きにされたという。もともとギリシア先住民族の豊穣(ほうじよう)の女神であったと考えられるアルテミスは,産褥(さんじよく)の守護神,人間と野獣に多産をもたらす女神としてもあがめられた。と同時に,女たちに遠矢を射かけて突然の死をもたらす女神でもあり,タンタロスの娘ニオベがレトには2人の子しかないとあざけったときには,アルテミスは母親の名誉のために,アポロンと協力してニオベの6男6女を射殺したという。彼女はまた〈青年の養育者〉として共通の職能をもつ女神ヘカテと,さらにはアポロンが太陽神と同一視されるようになったのにともない,月の女神セレネSelēnēと,しばしば混同ないし同一視された。崇拝の中心地はアッティカ地方のブラウロンと小アジアのエフェソスで,ブラウロンのアルテミス神殿には,アガメムノンの娘イフィゲネイアクリミア半島のタウリスから持ち帰ったと伝える神像がまつられていた。一方,エフェソスには古代の七不思議に数えられる大神殿があり,数多くの乳房をもつアルテミス像がその本尊であった。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「ARTEMIS」の意味・わかりやすい解説

アルテミス

ギリシア神話の狩猟および月の女神。ゼウスと女神レトの子,アポロンとは双生の妹。ローマ神話のディアナに相当し,月神セレネとしばしば混同・同一視される。森や丘,野生の動物を守り,狩猟をつかさどる処女神で,山野に住むニンフと猟犬を供に弓を持って山野を駆けて狩りをする。裸身を見られた狩人アクタイオンを鹿に変じ,犬に八つ裂きにさせた話は有名。なお,エフェソスからは多くの乳房をもつアルテミス像が出土しており,この女神の出産の守護神,大地母神としての性格をもうかがわせる。
→関連項目アスクレピオスアスタルテエフェソスオリンポス十二神デロス[島]ドゥラ・ユーロポスヘカテ

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

山川 世界史小辞典 改訂新版 「ARTEMIS」の解説

アルテミス
Artemis

古代ギリシアの処女神。オリュンポス12神の一人。ゼウスとレトの娘で,アポロンと双生の妹。狩猟,出生,豊穣をつかさどり,のち月神ともなった。ローマではディアナと同一視された。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

旺文社世界史事典 三訂版 「ARTEMIS」の解説

アルテミス
Artemis

ギリシア神話のオリンポス12神のひとり
アポロンと双生児で,月と狩猟をつかさどり,純潔な処女神でもある。ローマ神話ではディアナ(Diana)。

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のARTEMISの言及

【オリオン】より

…しかし太陽の昇る地点で目を陽光にさらすべしとの神託をうけたオリオンは,父神から水上を闊歩(かつぽ)する力を授かっていたので海を渡ってレムノス島へ行き,そこで鍛冶の神ヘファイストスの工人ケダリオンKēdaliōnを道案内に請い受け,彼に東方へ導かれて視力を回復した。その後,王に復讐すべく再びキオス島へ渡ったものの,島民が王を地下の穴倉にかくまったために仇討がかなわず,クレタ島で女神アルテミスと狩りをして暮らした。この先,彼の最期についてはさまざまの伝承がある。…

【シカ(鹿)】より

…スウェーデンのボフスレンの青銅器時代の岩絵には多くの鹿の絵が見られ,なかには日輪車を引いているものもある。ギリシアでは狩りの女神アルテミス(ローマのディアナ)の神聖な動物で,この女神は鹿を守護し,鹿の供犠を受ける。この供犠は小アジアではよく知られていたらしく,鹿の姿はアルテミスと結びついて花瓶や貨幣の上によく見られる。…

【ヨモギ(艾∥蓬)】より

…【飯島 吉晴】
[ヨーロッパ]
 北ヨーロッパの伝承によれば,ヨモギは強い磁力をもち,つねに葉を北へ向けている不思議な草と信じられ,水晶占いや呪術(じゆじゆつ)に用いられたほか,リウマチ,不妊,悪寒などに効果のある薬草の一つに数えられた。この草がとくに婦人病に効くのは,女神アルテミスの聖草であったからだといわれ,属名アルテミシアもこれに由来する。大プリニウスは毒虫や毒薬を防ぐ力があると述べ,これを持って旅をすれば疲れないという俗信もある。…

※「ARTEMIS」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

ゲリラ豪雨

突発的に発生し、局地的に限られた地域に降る激しい豪雨のこと。長くても1時間程度しか続かず、豪雨の降る範囲は広くても10キロメートル四方くらいと狭い局地的大雨。このため、前線や低気圧、台風などに伴う集中...

ゲリラ豪雨の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android