アレロパシー(読み)あれろぱしー(英語表記)allelopathy

知恵蔵の解説

アレロパシー

植物の生産する物質が他の個体あるいは他の生物に及ぼす作用。セイタカアワダチソウヒメジョオンが阻害物質を出して周囲植物を駆逐したりするのが代表的な例。遷移を引き起こす要因の1つと考えられている。高等植物がフィトンチッドと呼ばれる物質を出して微生物の生育を防ぐことや、ジャガイモなどの忌地(いやち)もアレロパシーの例とみることができる。阻害物質は主としてテルペン類からなる。

(垂水雄二 科学ジャーナリスト / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

世界大百科事典 第2版の解説

アレロパシー【allelopathy】

モーリッシュHans Molisch(1856‐1937)が1930年代に提唱した用語で,他感作用,遠隔作用などと訳されることもある。特定の種の植物が生産する物質が同種あるいは異種の植物に対して及ぼす作用のことをいう。その作用は,阻害の場合も促進の場合もあるが,結果としては有害なものが多い。セイタカアワダチソウは周辺の植物を駆逐して旺盛な群落をつくるが,これはある種の阻害物質を出して周辺に生えている植物の生育を阻害しているためである。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

アレロパシー【allelopathy】

植物が化学物質を生産・排出し、周囲の植物に多くは有害な作用を及ぼすこと。他感作用。遠隔作用。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

世界大百科事典内のアレロパシーの言及

【忌地】より

…第3は,作物が固有の物質を排出し,これが同種または近縁の作物の発芽や生育に阻害的に働くことに基づくものである。アレロパシーと呼ばれるこの現象は,近年研究者の注目を集めるところとなっており,個々の阻害物質の同定や化学構造の決定がなされつつある。 忌地の解決策としては,基本的には同一作物の連作をやめ,各種の作物を組み合わせて順次作付けていく輪作方式の採用が,最も望ましいものとされている。…

※「アレロパシー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

関連語をあわせて調べる

今日のキーワード

夏至

二十四節気の一つであるが,二至 (夏至,冬至) ,二分 (春分,秋分) の四季の中央におかれた中気。夏至は太陰太陽暦の5月中 (5月の後半) のことで,太陽の黄経が 90°に達した日 (太陽暦の6月 ...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android