アンチセンスRNA(読み)アンチセンスアールエヌエー

百科事典マイペディア「アンチセンスRNA」の解説

アンチセンスRNA【アンチセンスアールエヌエー】

ある特定の機能を持つRNAの働きを阻害するRNAのこと。遺伝子の機能解析や,動植物の品種改良遺伝子治療などに利用される。メッセンジャーRNA(mRNA)など,ある機能を持つRNA(センスRNA)と相補的な塩基配列を持ち,センスRNAと2本鎖を形成することで,そのセンスRNAが担うべきタンパク質の合成を阻害するといった働きを持つ。遺伝子組換え食品への応用では,1994年から米国で市販されている,ペクチン分解酵素の発現を抑えて日持ちを良くしたアンチセンス・トマトで初めて実用化。HIVなどの病原ウイルスや癌の遺伝子の働きを抑えるアンチセンス医薬の開発などにも用いられている。→遺伝子工学バイオテクノロジー
→関連項目遺伝子導入動物人工遺伝子

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

化学辞典 第2版「アンチセンスRNA」の解説

アンチセンスRNA
アンチセンスアールエヌエー
antisense RNA

mRNA配列を,タンパク質を正しくコードするという意味でセンスとすると,これに相補的な配列をもつRNAはアンチセンスRNAとよばれる.特定の配列をもつアンチセンスRNAを細胞に導入すると,目的とするmRNAの翻訳を阻害することができ,結果として特定のタンパク質の発現量を低下させ,その機能を解析することができる.基礎研究だけではなく,農作物の品質改良やがんの治療にも有望視されている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典「アンチセンスRNA」の解説

アンチセンスRNA

 特定の遺伝子発現を抑制するRNAをいう.特定のRNAの塩基配列に相補的な配列をもつRNAで,天然では−鎖の転写で作られる.細胞内で作らせて特定の遺伝子の発現を阻害する目的で使われたり,in vitroではmRNAの定量プローブとして用いられたりする.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

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