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イジュマー イジュマー Ijmā`

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

イジュマー
イジュマー
Ijmā`

イスラムの預言者マホメットの死後,教団内に生じる新たな宗教上の問題を解決するために用いられたイスラム法学上の4つの原則のうちの一つである。すなわち,一つの問題の解決のために与えられたある結論が,宗教上の問題に対して意見を述べる能力をもった人々 (ムジュタヒドたち) によって一致して承認されることをいう。

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世界大百科事典 第2版の解説

イジュマー【ijmā】

イスラム法の法源(ウスール)の一つで,コーランハディースについで第3の〈合意〉を意味するアラビア語。それは言葉,行為,合意とみなされる沈黙のいずれかによって表明され,理論的にはイスラム教徒全体の合意であるが,実際にはそれぞれの時代のムジュタヒド,10世紀以降は代表的ウラマーの合意であり,その意味でスンナ派という概念はこのような合意を根拠として成立したといえる。シーア派ハワーリジュ派イジュマーそのものを認めず,ザーヒル派ハンバル派,近代のワッハーブ派は,サハーバ(ムハンマドの教友)のイジュマーだけしか認めない。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

イジュマー
いじゅまー
Ijm

イスラム法の四つの主要法源の一つで、「合意」を意味する。第一、第二法源のコーランとスンナ(範例)に適切な法規定のみいだされない事柄や、既存の慣習などをイスラム法がどのように扱うべきかを決定する際によりどころとされるものである。「合意」とは、シャーフィイー以後の古典法理論では、ある一時代の全法学者の合意を意味したが、実際上は法学者を中心とするイスラム共同体ウンマ)全体の緩やかな合意を意味した。イスラム教には、神と人間の仲介者である聖職者は存在せず、また法規定や教義決定の権能をもつ明確な組織や宗教会議制度も存在しない。したがって「合意」は、ある問題についての反論や異論がやんで、しだいに成立する全般的な合意という形をとる。一度合意された事柄は、新たにイスラム法の内実となる。こうしてイジュマーは、コーラン、スンナに次いで、それらの解釈を最終的に裁可する不可謬(ふかびゅう)な権威となる。イジュマーは、古典法理論の成立以前から地方的な形で重視されていたが、スンニー派イスラム教の特質をもっともよく表す重要な概念となった。イスラム教においては、全ムスリム(イスラム教徒)からなるウンマの神意にかなった存続が重要であるが、イジュマーは端的にそれを表現するものであり、同時にまたそこに根拠をもつものである。4法源のうち、コーラン、スンナは変更不可能であり、キヤース(類推)も前二者に基づく厳密な推論であるのに対し、イジュマーのみが新しい事態に対応するために有効な方法である。そこから近現代において、イスラムの内部からのイスラム法の正しい改革を願うムスリムによって、イジュマーは新たに注目されている。[小田淑子]

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世界大百科事典内のイジュマーの言及

【イスラム】より

…ハサン・アルバスリーのスンナが,宗教的・倫理的慣行を意味したのに対して,法学者のそれは法的慣行を意味した。このスンナは伝承の形で表明されたが,もちろん厳密な意味でのハディースではなく,実際にはクーファやメディナの学者たちのラーイra’yの平均値,つまり後世の用語でイジュマーと呼ばれるものであった。このようなものが,イスラム最初の法学である。…

【スンナ派】より

…このためにハディースの批判的収集が行われ,ブハーリームスリムなどがそれぞれ個別に集録した六つの伝承集が最も権威あるものとして一般に認められた。こうしてコーラン解釈の第1の拠り所としてのスンナの実質的内容が確定することにより,コーラン,スンナ,イジュマー(共同体の合意),キヤース(類推)の四法源が確定する。もっとも,スンナが確立したといっても,多くのハディースの中にはその信憑性において完全でないものもあり,それをどこまで顧慮するか,したがってまた,キヤースをどこまで多用するか,によって法解釈に相違が生ずる。…

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