ウィルキンソン(英語表記)Wilkinson, Geoffrey

  • Geoffrey Wilkinson
  • John Wilkinson
  • Wilkinson
  • Wilkinson, James

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

[生]1921.7.14. ヨークシャー,トドモーデン
[没]1996.9.26. ロンドン
イギリスの化学者。ロンドン大学卒業。 1941年に学位取得。 1950年代初期,マサチューセッツ工科大学,ハーバード大学などで教鞭をとったのち,母校のインペリアル・カレッジに迎えられた (1956) 。有機金属化合物の研究に従事,51年,E.フィッシャー共著で『ネイチャー』誌にフェロセンに関する論文を発表。それが,2つの炭素五員環に1個の鉄原子がサンドウィッチ状にはさまれた構造をもつことを明らかにした。この研究が基礎となって,遷移金属と有機化合物を結びつける反応過程が明らかとなり,その後同様の各種金属誘導体 (メタロセン) がつくられるにいたった。 73年,フィッシャーとともにノーベル化学賞を受賞し,76年ナイトの称号を授けられた。
[生]1757. メリーランド,カルバー
[没]1825.12.28. メキシコシティー
アメリカの軍人,政治家。アメリカ独立戦争では H.ゲーツ将軍の副官をつとめ,戦後ケンタッキーに移住。 1803年のルイジアナ購入後,ルイジアナ北部地域の総督就任。アーロン・バーの「陰謀事件」ではバーの計画を T.ジェファーソン大統領に手紙で知らせた。バーは裁判の結果,証拠不十分で釈放されたが,ウィルキンソン自身が疑われ,軍事裁判連邦議会の調査を受けた。彼はスペインとの密接な関係を隠し,ニューオーリーンズ司令官の地位を保ったが,軍事指揮の失敗から軍役を退いた。

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デジタル大辞泉の解説

[1921~1996]英国の化学者。金属有機化合物のサンドイッチ構造を解明し、メタロセンと総称される類似の化合物を合成。ウィルキンソン触媒を開発したことでも知られる。1973年、E=フィッシャーとともにノーベル化学賞受賞。

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百科事典マイペディアの解説

英国の製鉄家,機械技術者。鉄器商として出発し,のち高炉親方で高炉用送風機などの特許所持者であった父のあとを継ぎバーシャム鉄工所に参加。みずからも合資によりブラッドリー,ブロズリーの2工場を創設し,ブラッドリーの製鉄所で溶鉱炉石炭使用に成功。1775年には鉄製大砲の穴あけ用に高精度中ぐり盤を製作した。この円筒中ぐり盤でワットの蒸気機関の実現に不可欠であった精密なシリンダーが製造されたのは有名。圧延法,小銃旋条法などの特許も得た。またA.ダービー3世と協力し,1779年には世界最初の鋳鉄橋コールブルックデール橋を架設。
→関連項目工作機械産業革命

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世界大百科事典 第2版の解説

1728‐1808
イギリスの製鉄業者。中部イングランドで4鉄工場からなる製鉄業を築き上げ,〈スタッフォードシャーの偉大な鉄工親方the great Staffordshire ironmaster〉の名で知られる。父は高炉親方で,火のし,鋳鉄管,高炉用送風機などの特許を取っている。ジョンはその長男で,初め鉄器商となり,1756年以後,父のバーシャム鉄工所に参加,また,ほかとの合資でブラッドリー,ブロズリーの2鉄工所を設立した。

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大辞林 第三版の解説

Geoffrey W. 1921~1996 イギリスの化学者。金属有機化合物のいわゆるサンドイッチ構造を明らかにした。
John W. 1728~1808 イギリスの機械技術者・製鉄業者。製鉄に石炭を用いることに成功したほか、1774年、ワットの蒸気機関シリンダーの製造に必要な、精度の高い中ぐり盤の特許を取得。

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化学辞典 第2版の解説

イギリスの化学者.ロンドン大学インペリアル・カレッジで学んだ後,第二次世界大戦中はカナダで核開発計画に参加(1943~1946年).その後,カリフォルニア大学バークレー校,マサチューセッツ工科大学,ハーバード大学で研究を行い,1956年インペリアル・カレッジへ戻り,無機化学を担当した.1940年代には同位体の研究を行っていたが,1950年ころから遷移金属錯体の研究を開始した.このころに合成されたフェロセン(ビス(シクロペンタジエニル)鉄(Ⅱ))のサンドイッチ構造を提案し,こうした構造をもつ化合物の合成を行った.また,1965年には,ウィルキンソン錯体[RhCl(P(C6H5)3)]を発見した.こうした有機金属化学の研究に対して,1973年E.O. Fischer(フィッシャー)とともにノーベル化学賞を受賞.かれがF.A. Cottonとともに書いた無機化学教科書Advanced Inorganic Chemistry(1962年)は有名である.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典内のウィルキンソンの言及

【工作機械】より

… 産業革命は工作機械の発達に大きな影響を与えたが,一方,工作機械も産業革命の推進に多くの貢献をした。その代表的な例が水車による回転動力を用いたウィルキンソンの中ぐり盤で,ワットの蒸気機関を実用化するうえでの大きな障害であったシリンダーの加工用として1775年に作られた。ウィルキンソンの中ぐり盤は,古い時代の工作機械の最後を飾ると同時に近代工作機械への胎動であった。…

※「ウィルキンソン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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