イギリスの製鉄業者。中部イングランドで4鉄工場からなる製鉄業を築き上げ,〈スタッフォードシャーの偉大な鉄工親方the great Staffordshire ironmaster〉の名で知られる。父は高炉親方で,火のし,鋳鉄管,高炉用送風機などの特許を取っている。ジョンはその長男で,初め鉄器商となり,1756年以後,父のバーシャム鉄工所に参加,また,ほかとの合資でブラッドリー,ブロズリーの2鉄工所を設立した。コークス高炉法,鋳鉄砲の中ぐり法などをくふうし,75年高精度の円筒中ぐり盤を製作,これによるシリンダーの加工によりワットの蒸気機関実用化の道を開いた。彼はこのほか,A.ダービー3世との協力で世界最初の鋳鉄橋(コールブルックデール橋)の架設(1779)にも貢献し,また自社製品の河川輸送用に世界最初の鉄船を製作した。
執筆者:原 善四郎
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イギリスの化学者.ロンドン大学インペリアル・カレッジで学んだ後,第二次世界大戦中はカナダで核開発計画に参加(1943~1946年).その後,カリフォルニア大学バークレー校,マサチューセッツ工科大学,ハーバード大学で研究を行い,1956年インペリアル・カレッジへ戻り,無機化学を担当した.1940年代には同位体の研究を行っていたが,1950年ころから遷移金属錯体の研究を開始した.このころに合成されたフェロセン(ビス(シクロペンタジエニル)鉄(Ⅱ))のサンドイッチ構造を提案し,こうした構造をもつ化合物の合成を行った.また,1965年には,ウィルキンソン錯体[RhⅠCl(P(C6H5)3)]を発見した.こうした有機金属化学の研究に対して,1973年E.O. Fischer(フィッシャー)とともにノーベル化学賞を受賞.かれがF.A. Cottonとともに書いた無機化学教科書Advanced Inorganic Chemistry(1962年)は有名である.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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… 産業革命は工作機械の発達に大きな影響を与えたが,一方,工作機械も産業革命の推進に多くの貢献をした。その代表的な例が水車による回転動力を用いたウィルキンソンの中ぐり盤で,ワットの蒸気機関を実用化するうえでの大きな障害であったシリンダーの加工用として1775年に作られた。ウィルキンソンの中ぐり盤は,古い時代の工作機械の最後を飾ると同時に近代工作機械への胎動であった。…
※「ウィルキンソン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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