ウォルター(読み)うぉるたー(英語表記)John Walter

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウォルター」の意味・わかりやすい解説

ウォルター(John Walter)
うぉるたー
John Walter
(1739―1812)

イギリスの新聞経営者。ロンドンの『タイムズThe Times創始者。石炭業者から海上保険業者となって失敗、印刷業に転じ、1785年にDaily Universal Register創刊、1788年にこれを改めてThe Times and Daily Universal Registerとした。初めは権威のある新聞ではなかったが、二男のウォルター2世(1776―1847)がその経営を引き継いでから、海外通信網を強化し、有能な編集長を任命するなど内容の向上に努め、蒸気印刷機を採用してイギリス新聞界を圧倒する地位を築き上げた。ウォルター自身は、名誉毀損(きそん)の裁判などに敗訴、投獄されたりしたあと、業界から引退して死んだが、その一家は20世紀に入るまでタイムズの株主であった。

[伊藤慎一]


ウォルター(Bruno Walter)
うぉるたー

ワルター

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウォルター」の意味・わかりやすい解説

ウォルター
Walter, Thomas Ustick

[生]1804.9.4. アメリカフィラデルフィア
[没]1887.10.30. アメリカ,フィラデルフィア
アメリカの建築家。 1819年,W.ストリックランド事務所に入り,28年独立。フィラデルフィアの監獄 (1828) ,負債者監獄 (31) ,ジラード・カレッジ (33) などを設計したのち,ヨーロッパへ一時旅行し,帰国後ワシントン D.C.のアメリカ国会議事堂新館と鋳鉄製の大ドーム (51~65) を設計して著名となった。アメリカ建築家協会会長をつとめた。

ウォルター
Walter, John

[生]1776.2.23. ロンドン
[没]1847.7.28. ロンドン
イギリスの印刷業者。ウォルター次男。長兄ウィリアムから 1802年『タイムズ』の経営を引継ぎ,『タイムズ』を名実ともに世界の一流新聞に発展させた。 T.バーンズや J.ディレーンらの一流ジャーナリストに健筆をふるわせ,14年には蒸気機関による輪転機印刷に踏切った。

ウォルター
Walter, John

[生]1739. ロンドン?
[没]1812.11.16. テディントン
ロンドン・タイムズ』の創刊者。初め石炭商人として成功したが,1781年投機で失敗し,翌 1782年に印刷業に転じた。1784年に古い印刷所を買い,図書の印刷に従事していたが,1785年1月1日『デーリー・ユニバーサル・レジスター』紙を創刊,1788年1月1日に『タイムズ』と改題。言論断圧で 2度投獄された。

ウォルター
Walter, Hubert

[生]?
[没]1205.7.13. ケント,タインハム
イギリスの聖職者,政治家。国王リチャード1世に従い十字軍に従軍。カンタベリー大司教,大法官となり,国王がドイツで捕われたとき国政を指導,身のしろ金の徴収に尽力した。

ウォルター
Walter, Theobald; Butler

[生]?
[没]1205
イングランド王ジョンの側近。 1185年にアイルランドに渡る。オーモンド伯バトラー家の祖。

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