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ウクラード uklad

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ウクラード
uklad

一般的には組織,制度などを意味するロシア語であるが,マルクス主義においては一つの社会経済構成体の基礎的な生産関係 (生産様式) の形態をいい,経済制度と訳される。 K.マルクス自身が概念規定したわけではなく,歴史的にはソ連が資本主義から社会主義へと移行する段階における新経済政策 (ネップ) に関連して把握されるようになった。マルクス経済学では,一つの時代の一つの社会においては,支配的なウクラードのほかに古いウクラードが常に密接にからみ合って存在するとされる。ただ社会主義社会にあっては,社会主義的ウクラードは社会の自然成長性の延長に生じるのではなく,社会主義革命の結果として初めてつくりだされるものであるから,併存する他のウクラードはすべて社会主義的ウクラードへと統合されていかなければならないとする。ウクラードの概念規定は歴史の移行過程を分析し,当該社会がいかなる社会経済構成体に属するのかを判断する際の一つの基準として重要な意味をもつ。

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世界大百科事典 第2版の解説

ウクラード【uklad[ロシア]】

日本では単にウクラードといい,経済制度と訳すが,ロシア語ではobshchestvenno‐ekonomicheskii uklad(社会的経済制度)というのが通例である。ウクラードそのものは〈組織〉〈制度〉等を意味する語であるが,ここでは,ある社会の土台(下部構造)を構成するさまざまな社会的生産諸関係のうち,特定の型をもつ生産関係の一体系をいう。この用語法は,ロシア革命後資本主義から社会主義への過渡期にあったソビエト経済について,レーニンが五つのウクラード(家父長的現物経済,小商品生産,私経済的資本主義,国家資本主義,社会主義)の存在を指摘して以来,マルクス経済学において広く普及するようになった。

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大辞林 第三版の解説

ウクラード【uklad】

経済の仕組みを歴史的にとらえたときの、ある時代の社会構造を形成する生産関係の種々の類型。例えば、資本主義から社会主義への過渡期には、社会主義のほかに、古い小商品生産・資本主義的生産などのウクラードが存在したとされる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ウクラード
うくらーど
уклад uklad ロシア語

特定の歴史的社会の経済的土台内部に存在する異なった類型の生産関係をさすロシア語。ロシア語文献では、社会経済的ウクラードまたは経済的ウクラードと記されることが多く、日本では普通、経済制度と訳されている。ある社会構成体の一般的性格は、一定の発展水準の生産力に照応する基本的生産関係によって規定される。社会構成体の継起的発展に際し、その基底では基本的かつ支配的なウクラードの交代が生ずる。しかし、無階級社会の場合を除き、通常、特定の歴史的社会の経済的土台内部には、基本的ウクラード以外に複数の従属的ないし付随的ウクラードが存在しうる。そのようなものとしては、先行の社会構成体から受け継がれた遺制(たとえば資本主義社会内部の封建的土地所有関係)や、生成途上の質的に新しい生産関係、ならびに歴史的には顕著な役割を演ずるがつねに第二義的地位にとどまっているウクラード(たとえば小商品生産)などがある。並存する諸ウクラードのそれぞれの比重、相互の絡み合いが、当の歴史的社会に階級構造をも含む一定の特殊的性格を付与することとなる。多ウクラード経済がとりわけ注目されるのは、社会構成体の移行期である。ロシア十月革命(1917)直後にレーニンは、五つのウクラードの存在とそれらの相互関係を解明した。また、現代発展途上国の経済的分析における多ウクラード論的視角は有効である。[門脇 彰]
『レーニン著『「左翼的な」児戯と小ブルジョア性とについて』(『レーニン全集27 1918年』所収・1958・大月書店)』

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