うず(読み)ウズ

デジタル大辞泉 「うず」の意味・読み・例文・類語

うず[助動]

[助動][○|○|うず(うずる)|うずる(うず)|うずれ|○]《推量助動詞「むず」の音変化》動詞・助動詞の未然形に付く。
話し手の推量を表す。…だろう。
「ただいま客人まらうどの来うずるぞ」〈平家・一〉
話し手の意志・決意を表す。…しようとする。…しよう。
「自然わたくしの負けたらば弟子にならうず」〈虎明狂・膏薬煉
相手に対する勧誘または婉曲的な命令を表す。…しよう。…してほしい。
「掃除などことごとくせうず。また聟殿のござったらば、こなたへ申せ」〈虎明狂・鶏聟
当然・適当の意を表す。…のはずだ。…のがよい。
項羽をこそ上将軍とせられうずるに、次将とせられた」〈史記抄・項羽本紀〉
連体形用法として)未来のことや仮説について婉曲の心持ちを表す。…のような。→
「我コノ難儀ヲ遁レサセラレウズルコトヲ教ヘマラセウズ」〈天草本伊曽保・イソポが生涯〉
[補説]「うず」は中世話し言葉として発達し、一時は書き言葉にも用いられたが、江戸時代になってからは、「う」と同様の意味を有するためにしだいに姿を消した。

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精選版 日本国語大辞典 「うず」の意味・読み・例文・類語

うず

  1. 〘 助動詞 〙 ( 活用は「〇・〇・うず・うず(る)・うずれ・〇」 推量の助動詞「む」に格助詞「と」、サ変動詞「す」の付いた「むとす」が、「むず」を経て更に変化したもの。動詞、助動詞の未然形に付く )
  2. 意志、決意を表わす。…しようとする。…しよう。
    1. [初出の実例]「当家かたぶけうずる謀反の輩」(出典:平家物語(13C前)二)
  3. 現在または未来の事柄について、話し手の推量を表わす。…だろう。
    1. [初出の実例]「げにも黄龍が見えうずと云たれば」(出典:史記抄(1477)八)
  4. 相手に対する勧誘、または命令的な意を表わす。…しよう。…してもらいたい。
    1. [初出の実例]「おん心安くおん急ぎあらうずるにて候」(出典:謡曲・丹後物狂(1430頃))
  5. 当然、適当の意を表わす。…のはずだ。…して当然だ。…のがよい。
    1. [初出の実例]「項羽をこそ上将軍とせられうずるに、次将とせられた」(出典:史記抄(1477)六)
  6. ( 連体修飾の場合 ) 未来のこと、仮説について婉曲(えんきょく)の心持を加える。
    1. [初出の実例]「惣じて后妃たらうず人の徳はまつ此詩に云やうに有うする事そ」(出典:京大二十冊本毛詩抄(1535頃)一)

うずの語誌

中世の口語で発達した。「うず‐らう」「うずる‐に」などの続き方や已然形「うずれ」の用法などは、他の語に接続することのまれな「う」の用法を補うものである。中世の抄物などでは終止形、連体形ともに「うず」を原則としているが、やがて連体形は「うずる」にかわり、近世初期に至って、終止形にも「うずる」を用いることが多くなった。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「うず」の意味・わかりやすい解説

ウズ
Uz

パレスチナの東,シリアの砂漠の中にあったとされる地方旧約聖書ヨブ記』の主人公ヨブの出生地とされている。その他創世記』 10章 23,22章 21,『歴代志上』1章 17および 42,『哀歌』4章 21などで言及されるが,位置を確定することはできない。

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