不飽和脂肪酸の一つで、油状の液体。EPA(eicosapentaenoic acid)と略称される。またイコサペンタエン酸(IPA)ともいう。サケ、サバ、イワシなどの魚油中に多く含まれる。グリーンランドのエスキモーに冠状動脈硬化症など虚血性心疾患の発生率が低いところから、血中の脂肪酸を調べると、白人に比べてアラキドン酸(エイコサテトラエン酸)が少なくEPAが多いことが1976年に報告され、さらに寒帯にすむ脂肪分の多い魚を多量に食べる集団でも、疫学的研究から同様の結果が得られた。その後EPAに血小板凝集抑制作用のあることが認められ、冠状動脈硬化症に有効ということで注目されている。
[幸保文治]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
…おもに硬化油としてマーガリン,ショートニング,あるいはセッケン原料として用い,魚油そのままでは製革用油,重合油,ボイル油,低級塗料用油とされる。最近,魚油中の高度不飽和脂肪酸,たとえばエイコサペンタエン酸(EPA)が高血圧,老化の防止に有効であることから,健康食品として注目されている。【内田 安三】。…
…工業的合成法としては,(1)石油からn‐パラフィンを分離し,それ自体またはα‐オレフィンとして酸化,加水,CO付加などにより飽和脂肪酸を合成する方法,(2)エチレンを直鎖状に低重合し,カルボキシル基を導入する方法などが行われている。 また近年エイコサペンタエン酸(EPA)のような天然高度不飽和酸の生理活性が注目され,医薬分野などへの利用も広まっている。【内田 安三】。…
…リノール酸は綿実油,大豆油など,リノレン酸は亜麻仁油に多く含まれ,アラキドン酸は肝油などに含まれる。リノール酸からも導かれるアラキドン酸,γ‐ホモリノール酸,エイコサペンタエン酸など高度不飽和脂肪酸は,プロスタグランジンと総称される種々の生理活性を有するホルモンに転換することが知られている。脂肪酸【腰原 英利】。…
※「エイコサペンタエン酸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新