日本大百科全書(ニッポニカ) 「エチレンジアミン」の意味・わかりやすい解説
エチレンジアミン
えちれんじあみん
ethylenediamine
脂肪族アミンの一つ。1,2-ジアミノエタンともいう。アンモニア臭をもつ無色の液体。
1,2-ジクロロエタンとアンモニアから合成される。強い塩基性をもつ。水、アルコールに易溶、ベンゼン、エーテルに不溶。亜硝酸の作用でエチレンオキシドを与える。二酸化炭素、二硫化炭素と反応して、それぞれエチレン尿素(2-イミダゾリジノン)、エチレンチオ尿素(2-イミダゾリジンチオン)を生成する。代表的なキレート試薬であり、二座配位子(配位子としての記号はen)として、ほとんどすべての金属に配位して錯塩をつくる。分析試薬として、各種金属イオンの定量分析に用いられるほか、医薬品の合成原料ともなる。
[山本 学]