カササギ(英語表記)Pica pica; Eurasian magpie

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

カササギ
Pica pica; Eurasian magpie

スズメ目カラス科。全長 45cm。頭,胸,背,,尾は黒く,金属光沢のある緑色や紫色のつやがある。腹,肩,翼の羽の半分先が白い。尾は長い。大きな木の上や電柱上に枯れ枝を使って巣をつくる。雑食性で,昆虫類,小型哺乳類,木の実などを食べる。秋冬には群れをつくって生活する。アフリカ北西端,ヨーロッパから東アジアにかけての地域とロシア東部のカムチャツカ半島などに広く繁殖分布する。日本では九州地方佐賀平野および筑後川下流域にのみ繁殖分布していたが,今日では北海道本州四国地方にも生息している。九州に生息するカササギは 16世紀に朝鮮半島から持ち込まれたとも考えられているが,本州や北海道に生息する鳥の起源は不明である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

カササギ

カラス科に属すが、カラスより小柄。白と黒のツートンカラー体色が特徴だ。県内16市町と福岡県筑後地方を生息地として、1923(大正12)年に国の天然記念物の指定を受け、65(昭和40)年には県鳥にも定められた。サッカー・J1サガン鳥栖のマスコットキャラクターにもなっている。

(2012-05-29 朝日新聞 朝刊 佐賀全県 1地方)

出典 朝日新聞掲載「キーワード」朝日新聞掲載「キーワード」について 情報

百科事典マイペディアの解説

カササギ

カラス科の鳥。翼長20cm。地色は黒緑で光沢がある。腹部,肩は白。ユーラシア〜北米の中部に分布。日本では佐賀平野を中心として北九州に分布し,天然記念物。日本原産説と,16世紀末に朝鮮から移入されたとの両説がある。雑食性。高い枝上に枯枝を用いて大きな巣を作り,2〜5月ごろ5〜6卵を産む。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

カササギ
かささぎ / 鵲
magpie
[学]Pica pica

鳥綱スズメ目カラス科の鳥。アジアの大部分とヨーロッパと北アメリカ西部に分布する全長約45センチメートルの尾の長い鳥で、肩と腹部が白いほかは主として金属光沢のある黒色をしている。日本では佐賀平野を中心に北九州西部の低地にのみ周年生息するが、これは1600年ごろに大陸から輸入放鳥されたものがすみ着いたとする説がある。九州では農村の集落などにつがいで狭い縄張りをもって半集団的に樹上に営巣する。巣はカラス科の他種と異なり径1メートルほどの大きな球形で、出入口は側面にある。1腹の卵数は5~8個。成鳥は一年中つがいで生活するが、巣立った若鳥は秋冬の間は群れになって暮らしている。採食は主として地上か低木で行い、ほかのカラス科の鳥と同じく雑食性である。また、カチカチと聞こえる鳴き声からカチガラス佐賀県を中心に生息するためヒゼンガラスの別名をもつ。
 カササギ属にはもう1種キバシカササギP. nuttalliがあって北アメリカ西岸に生息する。アメリカでは、カササギがblack-billed magpieといわれるのに対し、本種はyellow-billed magpieとよばれる。[浦本昌紀]

民俗

ヨーロッパでは、カササギはおしゃべりで、前兆を表す鳥とされている。フィンランドには、カササギは神の意志に逆らって人に翌日死ぬことを告げたので、神はその禁を忘れさせないためにと舌を抜き、長い尾をつけたという由来譚(たん)がある。一般には吉兆を示す鳥とするが、二面性もあり、ドイツなどでは悪魔的な鳥とされる。フィンランドにはカササギは悪魔が創造した鳥で、その後神が認めたという伝えもある。イギリスでは2羽で飛んでいると吉兆、1羽で飛ぶと凶兆という。つがいで生活するところに吉鳥の思想が生まれている。中国にも「鵲喜(じゃっき)」(良い前兆の意)という語があり、カササギの鳴き声は吉事の前触れとする。また古代から七夕(たなばた)の伝承とも結び付き、1年に一度、7月7日に牽牛(けんぎゅう)星と織女(しょくじょ)星が出会うときには、カササギが2羽で天の川に橋を架けて渡すという伝えもある。同じ伝えは朝鮮にもあり、この日家の近くでカササギをみつけると、怠け者といって追い回すという。この七夕の伝説は、日本でも平安時代から知られており、『大和(やまと)物語』に「かささぎの渡せる橋」、『枕草子(まくらのそうし)』に「かささぎの橋」などとみえている。[小島瓔

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

医療過誤

診療過誤ともいい,医療行為一般の誤りをさす。医学知識の不足,医療技術の未熟,診療行為の全体としての疎漏さ,不適切な薬剤や医療器具の使用などが原因となる。具体的には誤診,診断の遅延,手術過誤,注射事故,...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

カササギの関連情報