カズベク[山]
Kazbek
大カフカス山脈の分水嶺に平行して北にならぶボコボイ山脈の高峰。ロシア連邦の北オセティア共和国とグルジア共和国の境となっている。グルジア語ではムキンバリ(〈氷の山〉の意)。下部ジュラ系のケツ岩などの基盤上に噴出した火山で,死火山とされるが硫黄臭のある噴気がみられる。山頂は2峰に分かれ,最高点は東峰5033m。斜面は氷の浸食を受けて鋭い姿を見せる。南斜面からテレク川源流が流れおち,東から北へ向きを変えるが,この谷を北から南へグルジア軍用道路が通過し,2384mの峠を越える。氷河上に高山気象観測所がおかれている。
執筆者:渡辺 一夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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カズベク山
かずべくさん
Казбек/Kazbek
ジョージア(グルジア)とロシア連邦の北オセチア共和国の境にある山。過去にカフカス山系のボコボイ山脈に噴出した円錐(えんすい)形火山。標高5033メートル。山体を覆う溶岩は流紋岩、安山岩からなる。標高3300メートル以上は万年雪を頂き、氷河も数条(総面積135平方キロメートル)みられる。山麓(さんろく)は亜高山帯の植生で、草原は放牧地として利用される。「カズベク」はジョージア語で「氷の山」を意味する。
[小宮山武治]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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