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カプサ文化 カプサぶんかCapsian culture

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

カプサ文化
カプサぶんか
Capsian culture

アフリカの中石器文化。カプサ文化と呼ばれる文化はアフリカには2つある。いずれも石刃を原材として,ナイフ形石器,刻器,幾何学形細石器を主体とする文化である。一つは北アフリカのチュニジアを中心として分布しているもので,この文化の幾何学形細石器は最も美しいものとされている。この文化はかたつむりによる貝塚をもっている。ほぼ同時期にマグレブの地中海沿岸地帯にはオラン文化 (イベロ・マウル文化) が分布している。オラン文化は基本的性格はカプサ文化と同一であるが,幾何学形細石器がみられるのが大きな特色である。もう一つは東アフリカのケニアを中心に分布しているもので,ケニア=カプサ文化と呼ばれている。この文化は大型のナイフ形石器が主体となり,細石器も伴っている。この両者は現状ではまったく関係がないと考えられている。アフリカ大陸では,石刃を原材とする文化は伝統がなく,両文化の起源はいろいろの説が出されているが,定説はまだない。時期については中石器時代に属するとされている。

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百科事典マイペディアの解説

カプサ文化【カプサぶんか】

北アフリカのマグリブ地方(チュニジア,アルジェリア)を中心とし,イベリア半島,地中海沿岸に分布する中石器時代の文化Capsa。ヨーロッパの中石器文化と時期的にほぼ並行するが,独自の相をもつこの文化は,開地や岩陰にカタツムリを堆積した貝塚遺跡を多く残している。
→関連項目アフリカ

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世界大百科事典 第2版の解説

カプサぶんか【カプサ文化】

北アフリカ,チュニジアとアルジェリアの内陸高原地帯に栄えた中石器文化。更新世の終りごろ,それまで北アフリカに広く分布していた後期旧石器時代アテール文化につづいておこり,ヨーロッパの中石器文化とは別の発展をした。チュニジア南部の町ガフサGafsaの近くにあるエル・メクタ遺跡が代表とされ,ガフサがローマ時代にカプサCapsaと呼ばれたのにちなんで名づけられた。遺跡は岩陰や洞穴にもあるが,野外に発見されることが多く,貝塚,キャンプ遺跡,石組み炉跡遺跡が特徴的である。

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大辞林 第三版の解説

カプサぶんか【カプサ文化】

〔カプサ(Capsa)はチュニジア中部の地名ガフサの古名〕
旧石器時代から中石器時代にかけて北アフリカを中心に地中海沿岸に広く分布した文化。石刃など石器が多く、骨角器は少ない。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

カプサ文化
かぷさぶんか
Capsien

北アフリカ、チュニジアのガフサGafsa(古名カプサ)近くにあるエルメクタ遺跡を標準遺跡とする北アフリカの晩期旧石器時代文化。石器、貝殻、骨が混在した貝塚からなる遺跡が多い。とくにカタツムリの貝殻が目をひく場合が多い。しかし、大形獣の骨は少なく、狩猟はなされなかったようである。日常生活において礫(れき)を焼いて熱を利用したことを示す焼礫を多数出土する。後期旧石器時代と同じ大型の石器とともに多くの細石器が知られる。小さな厚い錐(きり)はダチョウの卵殻を装身具に加工する工具であった。
 典型的カプサ文化は紀元前九千年紀をさかのぼらず、細石器が多くなると後期カプサ文化とよばれ(前六千~前五千年紀)、その分布は広がる。しかし、海岸部にはカプサ文化は至らず、海岸部には、併行してイベリアマウル文化があった。前四千年紀には土器が認められ、カプサ文化系新石器時代文化とよばれる。ケニアにも類似した石器が出土するが、つねに土器を伴い、別の文化として区別される。[山中一郎]

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世界大百科事典内のカプサ文化の言及

【サハラ砂漠】より

…ゾウやキリンの絵,カモシカなどを弓矢で追う狩人,仮面をかぶって踊る人,ウマやウシに引かせた二輪車に乗る人,大きな角のウシを追う牧人等々が描かれている。 石器の上からは,不明な点の多い旧石器時代のあと,石鏃を中心とする細石器が著しいカプサ文化(いまのチュニジアのあたりが中心),握りのついた磨製石斧に特徴のあるテネレ文化(エジプト西部が中心),骨や象牙を使った銛や装身具も含むスーダン文化(ナイル中流あたりが中心)などの新石器文化が認められる。
[住民]
 (1)アラブの侵入以前のベルベルと総称される住民,(2)西アジア起源のアラブ,(3)ムーア人(モール人)と総称される著しくアラブ化された住民,(4)サハラ以南起源の黒人,の四つに大別できる。…

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