カラテア(英語表記)Calathea

デジタル大辞泉 「カラテア」の意味・読み・例文・類語

カラテア(〈ラテン〉Calathea)

クズウコン科カラテア属多年草総称。熱帯アメリカに分布観葉植物とし、高さ30~70センチ。葉は細長く、表面茶褐色褐色の斑が入り、裏面紫色暗赤色

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精選版 日本国語大辞典 「カラテア」の意味・読み・例文・類語

カラテア

〘名〙 (calathea) クズウコン科の植物属名。主として熱帯アメリカに一〇〇種以上野生し、葉の模様色彩が美しいので、多くのものが観賞用に栽培される。

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改訂新版 世界大百科事典 「カラテア」の意味・わかりやすい解説

カラテア
Calathea

クズウコン科カラテア属の多年草で,熱帯アメリカ,西インド諸島,熱帯アフリカに約150種がある。マランタ属と外形では混同されやすいが,カラテア属の花は仮雄蕊(かゆうずい)が1本で,子房は3室の花を有しているのに対し,マランタ属では仮雄蕊2本,子房1室であり,区別される。ゴシキヤバネバショウカラテア・マコヤナC.makoyana E.Morr.は広楕円形葉で,黄緑色地に濃緑色の長楕円状斑が入り,裏面も淡赤紫色で美しく,観葉鉢物として普及している。カラテア・ランキフォリアC.lancifolia Boomは細長い波状縁の葉を直立する。濃緑色の斑点が矢羽根状に入り,裏面は暗赤紫色となる。昭和初年に渡来した強健種。カラテア・レオパルディナC.leopardinaRegelは鮮黄緑色地に濃緑色の矢羽根状斑が入る長楕円形葉の小型種で,黄色の花をつける。ほかにも葉に線形や長楕円形の斑が入るきれいなものがあり,観葉植物として栽培される。また,カラテア・アロウイアC.allouia(Aubl.)Lindl.は地下塊根を生じ,食用とされるし,カラテア・ルテアC.lutea(Aubl.)Meyerの葉からは蠟が採取される。どちらも西インド産。いずれも日陰に耐えるので,夏の室内園芸に向く。株分けでふやす。冬は10℃以上に保温し,空中湿度を高めるとよい。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カラテア」の意味・わかりやすい解説

カラテア
からてあ
[学] Calathea

クズウコン科(APG分類:クズウコン科)の観葉植物。和名ヒメバショウ。マランタ属と同じく葉の美しい色彩と模様を観賞する。この両属はよく混同されるが、花の構造が異なることで区別される。熱帯アメリカを中心にアフリカに100種以上分布する。代表的品種に次のようなものがある。ランシフォリアはこれまでインシグニスとよばれたもので、葉は細長く直立し、濃緑の矢羽根模様が入り、裏面は暗赤紫色。レオパルディーナは淡緑色、長楕円(ちょうだえん)形の葉に濃緑の矢羽根模様が入り、さらに光沢があり、ビューグの名でもよばれる。マコヤナの葉は広楕円形で、表面は淡黄緑色で、ここに濃緑の斑紋(はんもん)が矢羽根状に入り、裏面は紫紅色で表面と同じ模様。ロゼオリネアータは細長い葉に赤みのある線状模様が入る。サンデリアーナは丸みのある葉に同じような模様が入り、いずれも葉裏は暗赤紫色である。このほかゼブリナは大形で長楕円形の葉の表面がビロード状で、暗緑色の矢羽根模様が入る。これと近似の属にクテナンテ、ストロマンテなどがある。栽培は、温室か室内の明るい日陰に置き、冬は12~15℃以上を保ち、すこし湿りぎみに管理する。繁殖は6~7月、株分けによる。

[坂梨一郎 2019年6月18日]


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百科事典マイペディア 「カラテア」の意味・わかりやすい解説

カラテア

主として熱帯アメリカに原産するクズウコン科の一属で,100種余りからなる多年草。細い葉柄をもった根出葉を束生し,その葉に美しい模様があるので,多くの種類が観葉植物として温室内で栽培されている。全体が波うつ剣状の葉にあらい模様のあるカラテア・ランシフォリア,長楕円形の葉の緑地に濃色の矢羽根模様のあるカラテア・ゼブリナ,黄色の地に緑の細かい刷毛(はけ)目のあるカラテア・ムサイカ,楕円葉の細かい網目地に太い毛筆で描いたような斑紋のあるカラテア・マコヤナなどがあるが,最後のカラテア・マコヤナは花材名で〈マランタ〉と呼ばれることが多い。高温多湿だと生育よく,冬でも10℃以上の温度が必要。→マランタ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カラテア」の意味・わかりやすい解説

カラテア
Calathea

クズウコン科の多年草。熱帯アメリカ (ブラジル) 原産で,多くの種類が知られている。葉の支脈に沿って斑紋や色彩の違った斑 (ふ) が入り,美しいものが多い。日本ではトラフヒメバショウ C. zebrinaやゴシキヤバネバショウ C. makoyanaなど約 30種が観葉植物として栽培されている。園芸界ではマランタの名で呼ばれることもある。

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世界大百科事典(旧版)内のカラテアの言及

【マランタ】より

…8~10℃で越冬する。 近縁のカラテアCalatheaに似ているが,マランタ属ではめしべの子房は1室に退化していて,3室あるカラテア属から区別される。【高林 成年】。…

※「カラテア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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