カラ海(読み)カラかい(英語表記)Kara Sea; Karskoje more

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カラ海」の意味・わかりやすい解説

カラ海
カラかい
Kara Sea; Karskoje more

北極海の縁海の一つ。西は西シベリア低地沿岸ノーバヤゼムリャー北西フランツヨシフ諸島,東はセーベルナヤゼムリャーに囲まれている。北部で北極海盆と,西部バレンツ海と,東部ラプテフ海とつながる。88万km2の面積を有し,平均深度は 127m,最深部は 620m。流入する河川にはエニセイ川オビ川ピャシナ川,カラ川などがあり,カラ海はこの名にちなんで命名された。カラ海はシベリア陸棚上にあり,このため約 40%が 50m以浅で,2%が 500m以深である。陸棚は北部の二つの広い深海トラフによって分断されている。地質学的には,カラ海は最も若い時代,最新氷河時代の退氷の結果形成された。褐色シルト,灰色シルト,青色シルトがトラフや深海の凹地に,砂質シルトが海底隆起部と浅海部に,岩屑土が北東部に分布する。

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改訂新版 世界大百科事典 「カラ海」の意味・わかりやすい解説

カラ海 (カラかい)
Karskoe more

ロシア連邦北部,西シベリア低地の北につづく,北極海の一部。西をノバヤ・ゼムリャ,北をフランツ・ヨシフ諸島,東をセベルナヤ・ゼムリャで境される。面積88万km2。最深点はノバヤ・ゼムリャ東沖で620m,平均深度127m。総面積の半ば近くが水深50mにみたない。気温0℃以下の日が7~10ヵ月つづき,7月にも激しい寒さがくる。氷の下の水温も,夏の浮氷間の水温も-1.5℃程度でほとんど変わらず,大西洋から到達する暖流潜流が深さ150~200mを東流し,その部分の水温は2~3℃である。オビ川,エニセイ川が流入する。北極海航路の通過水域で,アムデルマ,ノーブイ・ポルトディクソンなどの小港がある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カラ海」の意味・わかりやすい解説

カラ海
からかい
Карское Море/Karskoe More

北極海の一部を占める海域。英語名Kara Sea。東をロシア連邦のセーベルナヤ・ゼムリャ(群島)、西をノバヤ・ゼムリャ島、南をシベリアで囲まれる。面積約88万平方キロメートル、平均水深127メートル、最大水深620メートル。エニセイ、オビ、ピャシナの大河が流れ込み、河口付近では漁業が行われる。冬季は海氷に覆われ、8~9月の融氷期に船の航行が可能である。沿岸には主要中継港のディクソンDiksonがある。

[小宮山武治]

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百科事典マイペディア 「カラ海」の意味・わかりやすい解説

カラ海【カラかい】

ロシア,シベリア北方の湾入で,北極海に属する。ロシア語でKaraskoe more。西はノバヤ・ゼムリャ島,東はセベルナヤ・ゼムリャ島で限られる。約88万km2,最大水深540m。主要港はディクソン。
→関連項目北極海

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