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ガルブレイス Galbraith, John Kenneth

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ガルブレイス
Galbraith, John Kenneth

[生]1908.10.15. オンタリオ,アイオナステーション
[没]2006.4.29. マサチューセッツ,ケンブリッジ
カナダ生まれのアメリカの経済学者。トロント大学,カリフォルニア大学に学ぶ。第2次世界大戦中は物価統制官などアメリカ合衆国政府の官吏として勤めるかたわら,1943~48年雑誌『フォーチュン』 Fortune編集委員。 1949~61年ハーバード大学教授。ジョン・F.ケネディ大統領の顧問を務め,1961~63年駐インド大使。 1963年ハーバード大学に復帰。 1972年アメリカ経済学会会長。制度学派の流れをくみ,アメリカの経済学者のなかでは異色の一人で,拮抗力や依存効果,テクノストラクチュアなどの新しい概念を導入して,種々の面でしだいに管理社会化しつつあるアメリカを中心とする現代資本主義の構造的特徴の解明を行なって注目を集めた。活発な政治活動で知られ,随筆家としても著名。著書『アメリカの資本主義』 American Capitalism (1951) ,『ゆたかな社会』 The Affluent Society (1958) ,『新しい産業国家』 The New Industrial State (1967) ,『不確実性の時代』 The Age of Uncertainty (1977) ,『権力の解剖』 The Anatomy of Power (1983) ,『経済学の歴史』 Economics in Perspective:A Critical History (1987) など多数。

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大辞林 第三版の解説

ガルブレイス【John Kenneth Galbraith】

1908~2006) アメリカの経済学者。カナダ生まれ。米国インド大使。制度学派の流れをくむリベラルな立場から現代資本主義を鋭く分析。著「ゆたかな社会」「新しい産業国家」「不確実性の時代」など。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ガルブレイス
がるぶれいす
John Kenneth Galbraith
(1908―2006)

カナダ生まれのアメリカの経済学者。トロント大学卒業後、カリフォルニア大学に学ぶ。リベラル派知識人として知られ、1943~48年に雑誌『フォーチュン』の編集、民主党政府の物価行政局や経済保障対策局などにも関係、1961~63年にはケネディ政権下のインド大使を務めた。48~74年ハーバード大学教授、72年アメリカ経済学会会長。異端的立場から、現代資本主義分析につねに鋭い問題提起を続けてきた。『アメリカの資本主義』American Capitalism : The Concept of Countervailing Power(1952)では、「拮抗(きっこう)力」論を主張、『ゆたかな社会』The Affluent Society(1958)では、現代社会がインフレ、生産の社会的バランスの喪失、「依存効果」などの病を抱えていることを指摘し、『新しい産業国家』The New Industrial State(1967)では、現代の大企業を支配しているのは、さまざまの分野の専門家集団たる「テクノストラクチュア」であることを主張、『経済学と公共目的』Economics and the Public Purpose(1973)では、中小企業の保護と住宅・交通・医療・教育分野の公有化を提唱した。1977年に出版された『不確実性の時代』The Age of Uncertaintyは世界的ベストセラーとなり、同書の日本語版は翌78年に刊行され「不確実性の時代」は流行語にもなった。『権力の解剖』The Anatomy of Power(1983)では、経済活動と権力の関連を総括的に分析している。その後、『バブルの物語』A Short Story of Financial Euphoria(1990)、1991年刊行の『実際性の時代』The Age of Pragmatismは、経済学者の岸本重陳(しげのぶ)(1937―99)との対論集であり、ほかに『満足の文化』The Culture of Contentment(1992)などの著作がある。[中村達也]
『都留重人監修『ガルブレイス著作集』全10巻(1980~83・TBSブリタニカ) ▽鈴木哲太郎訳『ゆたかな社会』(1985・岩波書店) ▽岸本重陳共著・訳『実際性の時代』(1991・小学館) ▽橋本恵訳『20世紀を創った人たち――ガルブレイス回顧録』(1999・TBSブリタニカ) ▽角間隆訳『日本経済への最後の警告』(2002・徳間書店) ▽『ガルブレイスわが人生を語る』(2004・日本経済新聞社) ▽斎藤精一郎訳『不確実性の時代』上下(講談社文庫) ▽中村達也著『ガルブレイスを読む』(1988・岩波書店) ▽根井雅弘著『ガルブレイス』(1995・丸善) ▽リチャード・パーカー著、井上廣美訳『ガルブレイス――闘う経済学者』上中下(2005・日経BP社)』

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