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キツツキ キツツキPicidae; woodpeckers

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

キツツキ
Picidae; woodpeckers

キツツキ目キツツキ科の鳥の総称。ヒメキツツキ類,シルスイキツツキ類,キツツキ類など約 230種からなる。アリスイ類のように別の名で呼ばれる鳥もいる。マダガスカル島オセアニア,非常に高緯度の地域を除いて全世界に広く分布している。アリスイ類は,樹木が散在する草地や疎林などに生息し,おもにアリ類の卵や成虫を食べる。ヒメキツツキ類は,全長十数cm,大部分は南アメリカに分布し,木の細枝や葉陰などで採食する。キツツキ類は,全長十数cmから 60cm,羽色は白,黒,黄,緑,褐色で,多くの種では雄の頭部に鮮やかな色彩の大きな斑がある。は強力でまっすぐ伸び,しかも上下の嘴の峰部は角のみのようにせり上がっていて,木をつついたり削り取ったりするのに適している。また樹皮の間などにひそんでいる昆虫類を探り出せるように,舌が長く,嘴の先端から外へ長く伸びるようになっている。舌先には粘着力があり,獲物を引きずり出せる。趾(あしゆび)は前後に 2本ずつ向いていて,幹上や太枝上を垂直に動き回るのに適している。尾羽も非常に硬く,体を垂直にして幹に留まっているときには体を支えている。日本にはアリスイアオゲラヤマゲラノグチゲラクマゲラキタタキ(絶滅),アカゲラオオアカゲラ Dendrocopos leucotosコアカゲラコゲラミユビゲラ Picoides tridactylus が分布し,渡り途中と思われるチャバラアカゲラ Dendrocopos hyperythrus の記録がわずかにある。

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百科事典マイペディアの解説

キツツキ

キツツキ科の鳥の総称。大きさはスズメ大からカラス大までさまざま。世界で約210種,全大陸に分布し,留鳥が多い。おもに森林で生活し木の幹に縦にとまり,くちばしと舌で樹皮の下の虫等を捕らえて食べる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

キツツキ
きつつき / 啄木鳥
woodpecker

鳥綱キツツキ目キツツキ科に属する鳥の総称。ケラ類ともいう。この科Picidaeは世界に約210種があり、オーストラリアニューギニア島ニュージーランド、マダガスカル島および太平洋諸島を除いて、ほぼ世界中に分布する。典型的には樹幹で生活し、幹の表面や樹皮の下にいる昆虫を主食としているが、木の種実を食べるものもある。[浦本昌紀]

形態

キツツキ類の体は、この生活に適した特徴を示す。一般に嘴(くちばし)は強く、まっすぐで先が鋭く、樹幹に穴をあけることができる。足は短くて強く、垂直な幹にしがみつくことができ、ときには水平な大枝の下側に止まることさえある。指は2本が前を、2本が後ろを向いているが、幹につかまるときには後ろ向きの外側の指は側方を向くことが多い。尾羽の羽軸は硬く、幹に止まるときにそれを幹に押し付けて体の支えとする。舌は非常に長く、伸縮自在で、樹皮の割れ目や穴の奥の昆虫を引き出すのに役だつ。羽色はさまざまであるが、多くの種ではとくに雄の頭部に赤か黄色の部分がある。また、羽冠をもつものが少なくない。大きさは全長10~35センチメートルの種が多いが、最小種は約8センチメートル、最大種は約55センチメートルに達する。[浦本昌紀]

生態

ほとんどの種はつがい、または単独で生活し、普通は留鳥である。しかし、北半球北部で繁殖するものには渡りをするものがある。鳴き声は一般に大声であるが単調で、複雑なさえずりをもつものはない。多くの種では、さえずりにかわって、枯れ枝を嘴で非常に速くたたいて、よく響くタラララ……という音を出す。巣は普通、自分でおもに枯れ木の樹幹に穴を掘ってつくり、その底に何も敷かずに直接産卵する。1腹の卵数は2~8個。卵は光沢ある白色で、雌雄交代に抱卵するが、夜間は雄が抱く。抱卵期間は比較的短く、小形種で11~14日であり、大形種でも17~18日。雛(ひな)には雌雄で給餌(きゅうじ)し、雛は短い種は17~18日、長い種では35日ぐらいで巣立つ。[浦本昌紀]

種類

この科の鳥はアリスイ類2種、コビトキツツキ類約30種、真正キツツキ類約180種に大別される。コビトキツツキ類は熱帯地方に生息し、大多数は南アメリカに分布する。全長10センチメートル以下で、嘴はそう強くないが、朽ち木に巣穴を掘る。尾羽の羽軸は硬くないが、枝にも幹にも止まる。真正キツツキ類も主として熱帯地方にすみ、とくに中央・南アメリカと東南アジアに種数が多く、北半球の温帯、寒帯に分布するのは30種ぐらいである。真正キツツキ類は、その名のように典型的なキツツキで、樹幹と大枝で採食し営巣するので、森林や疎林など樹木のある場所に生息する。しかし、ヤマゲラなどのようにしばしば地上に降りて採食するものもあり、アフリカ南部と南アメリカ南部には樹木のない地方に生息する種さえある。一般に森林に依存して生活するため、開発によって森林が伐採されると、すみかを失う。これによって絶滅寸前にまで追い込まれた種もあり、沖縄のノグチゲラはその一例である。
 日本にはアリスイJynx torquillaのほか、アカゲラDendrocopos major、オオアカゲラDendrocopos leucotos、コアカゲラDendrocopos minor、コゲラDendrocopos kizuki、ミユビゲラPicoides tridactylus、アオゲラPicus awokera、ヤマゲラPicus canus、クマゲラDryocopus martius、ノグチゲラSapheopipo noguchiiの合計10種を産するが、このうちアオゲラは日本特産種、ノグチゲラは沖縄本島特産種である。このほか、対馬(つしま)にはかつてキタタキDryocopus javensisが生息していたが、森林伐採のため現在では絶滅したと考えられている。[浦本昌紀]

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