キュラソー(その他表記)curaçao[フランス]

デジタル大辞泉 「キュラソー」の意味・読み・例文・類語

キュラソー(〈フランス〉curaçao)

リキュールの一。オレンジ果皮から香気をラム酒ブランデーに浸出した甘い洋酒。カクテルに用いる。キュラソー島のオレンジを用いたのでこの名がある。
カリブ海南部、ベネズエラ沖にあるキュラソー島を領土とするオランダ自治領

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精選版 日本国語大辞典 「キュラソー」の意味・読み・例文・類語

キュラソー

  1. 〘 名詞 〙 ( [フランス語] curaçao ) ( オランダ領西インド諸島のキュラソー島で作りはじめたところから ) リキュールの一種。オレンジの皮で香りをつけた甘い洋酒。飲料やクリームゼリーなどの味つけにも用いる。無色、赤色、緑色などの種類がある。
    1. [初出の実例]「キーラソーの壜、〈略〉菓物の罎詰など」(出典:魔風恋風(1903)〈小杉天外〉後)

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改訂新版 世界大百科事典 「キュラソー」の意味・わかりやすい解説

キュラソー
curaçao[フランス]

オレンジの香りをもつリキュール。オランダの創製になるもので,かつて同国が領有していた南米ベネズエラ沖のキュラソー(クラサオ)島のオレンジを使ったため,この名がある。現在ではオランダ産以外のものもキュラソーの名で販売されている。本来はビターオレンジの果皮を水に浸漬(しんし)し,アルコールを加えて,蒸留,再留して造ったもので,この間,秘密の処方により香草などが加えられたが,いまはラムやブランデーを基酒とするものもある。オレンジ色オレンジキュラソーと無色のホワイトキュラソーが代表的なものであるが,ほかに褐色,青色などのものもあり,いずれもカクテルや洋菓子に多く使われる。キュラソーの名酒とされるコアントローは,19世紀半ばにフランスのコアントローCointreau兄弟によって創製され,トリプルセック(3倍ドライの意)の名で発売されたが,非常な好評でトリプルセックを名のる類似品が続出したため,第2次世界大戦後コアントローと名を改めた。アルコール分40%。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キュラソー」の意味・わかりやすい解説

キュラソー
Land Curaçao

ベネズエラ北西岸沖約 60kmのカリブ海にある小アンティル諸島の島。オランダ自治領。首都ウィレムスタト。かつてオランダ領アンティルの主島であったが,2010年10月のオランダ領アンティル解体に伴い単独でオランダの自治領となった。サンゴ礁に囲まれた細長い島で,低い丘陵があり,最高点は北西部の 375m。年降水量約 500mmで,乾燥し,植生に乏しい。1527年スペイン人が入植したが,1634年オランダ人が占領。以後 19世紀初頭一時イギリスに占領されたほかはオランダ領。18世紀貿易で繁栄,19世紀にはキュラソー用のオレンジ,医薬品用のアロエの栽培が盛んに行なわれたが,経済は全般に衰退。20世紀に入ってベネズエラの油田開発に伴って石油産業が興り,発展し始めた。1918年アメリカ合衆国資本による大規模な製油所がウィレムスタト郊外で操業開始。1985年これを自治政府が買い上げて運営。石油および石油製品が重要な輸出品となっている。観光業も盛ん。面積 444km2(クライン島の 1.7km2を含む)。人口 14万3000(2011推計)。

キュラソー
curaçao

アルコールにオレンジの果皮を漬けて熟成させた甘い混成酒。リキュール酒の一つで,カリブ海のキュラソー島で造られたのでこの名がある。緑,赤などの色をつけ,カクテル用にされる。

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飲み物がわかる辞典 「キュラソー」の解説

キュラソー【curaçao(フランス)】


スピリッツにオレンジ果皮の風味をつけたリキュール。オレンジ果皮を浸漬したり、果皮とともに蒸留したりして成分を浸出させるほか、香辛料なども用いてつくり出される芳香が特徴。やや苦みのある甘い酒で、食前酒・食後酒などにするほか、カクテルや菓子の材料として用いる。アルコール度数は30~40度。褐色で甘みが強く濃厚なオレンジキュラソーと、これよりは甘みも風味も軽めで無色透明ホワイトキュラソーがあるほか、ホワイトキュラソーに色素を加えてつくるブルーキュラソー、レッドキュラソーなどがある。◇1695年、オランダのデカイパー社が西インド諸島のオランダ領キュラソー島産オレンジの乾燥果皮を本国に送り、ブランデーとともに蒸留するリキュールを考案、オレンジの産地にちなみ「キュラソー」の名で販売した。それまでのリキュールは、薬酒をルーツとする薬草・香辛料を用いたものであったが、この酒が果物を用いたリキュールの嚆矢(こうし)となった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「キュラソー」の意味・わかりやすい解説

キュラソー
きゅらそー
curaçao フランス語

オレンジの香りのするリキュール。南アメリカのベネズエラに近いキュラソー島に産するキュラソーオレンジを原料とするのでこの名がある。現在はスペイン産のセビルオレンジがおもに使われる。

 製法は、スピリッツにオレンジの皮、チョウジ、シナモンなどの香辛料を加え、2日間放置したのち蒸留してキュラソーのエッセンスを採取する。これをブランデーやキルシュワッサーに添加し、砂糖を加えて製品とする。そのほか直接浸出法も行われる。キュラソーはカクテル用に需要が多く、ホワイト、オレンジ、ブルー、グリーン、レッドキュラソーがある。このうち、オレンジキュラソーが一般的で、アルコール分約30%、甘さが強く、褐色をしており、食前酒や食後酒として飲まれる。ホワイトキュラソーはオレンジに比べてやや辛口で、無色、味は淡泊で、ストレートでも飲まれる。トリプルセックはホワイトキュラソーに似ているが、アルコール分が約40%と高い。これらのなかにはフランス産のコアントローなどの有名なものもある。

[原 昌道]

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百科事典マイペディア 「キュラソー」の意味・わかりやすい解説

キュラソー

リキュールの一種。古くからオランダが主産地で,クラサオ(キュラソー)島特産のビターオレンジの未熟果の果皮を乾燥し,基酒のラムに浸出したもの。フランス産のキュラソーはブランデーを基酒にする。オレンジ色のオレンジキュラソーや無色のホワイトキュラソーなどがあり,アルコール分約40%で,カクテルによく用いられる。
→関連項目スカッシュ(飲料)リキュール

キュラソー[島]【キュラソー】

クラサオ[島]

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「キュラソー」の解説

キュラソー
Curaçao

クラサオともいう。オランダ領アンティル諸島の一島。面積444km2。スペイン領だったが,オランダ西インド会社が1634年に占領。1807年イギリスに奪われたが,15年のパリ条約でアルーバ島とともにオランダ領となる。1918年以来,ロイヤル・ダッチ・シェル会社が,ベネズエラ産の石油の精製,貯蔵を行っている。

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栄養・生化学辞典 「キュラソー」の解説

キュラソー

 リキュールの一種.ビターオレンジの皮で香りをつける.

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世界大百科事典(旧版)内のキュラソーの言及

【クラサオ[島]】より

…カリブ海のオランダ領アンティルに属する島。キュラソー島とも呼ばれる。面積444km2。…

※「キュラソー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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