キヨソーネ(読み)きよそーね(その他表記)Edoardo Chiossone

デジタル大辞泉 「キヨソーネ」の意味・読み・例文・類語

キヨソーネ(Edoardo Chiossone)

[1832~1898]イタリアの版画家。明治8年(1875)大蔵省の招きで来日紙幣郵便切手などの原版や各種版画技法による肖像画制作明治天皇西郷隆盛らの肖像がある。キヨソネ。

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精選版 日本国語大辞典 「キヨソーネ」の意味・読み・例文・類語

キヨソーネ

  1. ( Edoardo Chiossone エドアルド━ ) イタリアの銅版画家。明治八年(一八七五)大蔵省紙幣寮の招きで来日。各種の紙幣、切手などの製作およびその指導を行ない、日本印刷技術に寄与。また、明治天皇、西郷隆盛、大久保利通などの肖像を描いた。日本美術収集家としても知られる。東京で没。(一八三二‐九八

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「キヨソーネ」の意味・わかりやすい解説

キヨソーネ
きよそーね
Edoardo Chiossone
(1832―1898)

イタリアの銅版画家。ジェノバ市近郊のアレンツァノに生まれる。同市の美術学校に学び、1867年パリ万国博覧会に作品を出品して銀牌(ぎんぱい)を得た。その後、銅版の技術を紙幣・公債証書などの印刷に応用すべくイタリアからドイツに派遣された。1875年(明治8)大蔵省紙幣寮(後の印刷局)彫刻師として日本政府に招かれ、銅版彫刻を応用した技術で各種の紙幣や切手の印刷に従事するかたわら、後進の銅版制作の技術指導にあたった。その間、明治天皇や西郷隆盛(さいごうたかもり)、大久保利通(おおくぼとしみち)らの肖像画をコンテ画や銅版画に作成している。日本美術工芸品の収集家としても知られ、ジェノバ市には彼の寄付によるキヨソーネ東洋美術館がある。1898年東京の自邸で没し、墓は青山霊園にある。

[永井信一 2018年8月21日]

『隈元謙次郎著『明治初期来朝 伊太利亜美術家の研究』(1940・三省堂)』

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改訂新版 世界大百科事典 「キヨソーネ」の意味・わかりやすい解説

キヨソーネ
Edoardo Chiossone
生没年:1832-98

イタリアの銅版画家。ジェノバ市近郊アレンツァーノに生まれる。ジェノバの美術学校に学び,銅版画,石版画を研究。1867年パリ万国博で受賞,69年にはミラノのアカデミー会員となる。70年明治新政府がフランクフルトのドンドルフ社に紙幣製造を依頼し,彼がその原版彫刻に従事したのを契機に日本に招聘される。75年摺師とともに来日。紙幣寮(大蔵省印刷局)で紙幣,印紙,切手などを製作した。明治天皇,西郷隆盛,シーボルトなど多くの肖像画を残しているが,大久保利通の肖像画は日本におけるメゾチント(銅版画)の最初の作品。日本美術の収集家としても知られている。東京麴町で死去。
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百科事典マイペディア 「キヨソーネ」の意味・わかりやすい解説

キヨソーネ

イタリアの銅版画家。アレンツァノに生まれ,日本で没。パリ万国博覧会で銀牌(ぎんぱい)を受け,1875年来日して大蔵省紙幣寮で紙幣,切手などの原版を作製,銅版技術を指導。明治天皇西郷隆盛らの銅版肖像画や日本美術の収集でも知られる。

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旺文社日本史事典 三訂版 「キヨソーネ」の解説

キヨソーネ
Edoardo Chiossone

1832〜98
イタリアの銅版画家
1875年政府の招きで来日。大蔵省紙幣寮(のち印刷局)で紙幣・郵便切手などの製版・印刷の指導にあたった。また明治天皇・西郷隆盛・大久保利通らの銅版肖像画を残している。日本で没した。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「キヨソーネ」の解説

キヨソーネ Chiossone, Edoardo

キオソーネ

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世界大百科事典(旧版)内のキヨソーネの言及

【御真影】より

…これらの写真は最初は下付を目的としていたのではないが,たちまち地方官庁,軍隊等々に下付され,それを拝跪する儀礼がおのずと始まっている。 青年から壮年の君主に成長した明治天皇の〈肖像写真〉はその後長い期間,撮られることがなかったので,天皇の写真嫌いを懸念した側近の発案で,御雇外国人のキヨソーネが描き,それを写真家の丸木利陽が複製した〈写真〉が制作された。88年のことである。…

※「キヨソーネ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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