キラウエア火山(読み)きらうえあかざん(その他表記)Kilauea Volcano

共同通信ニュース用語解説 「キラウエア火山」の解説

キラウエア火山

ハワイ諸島最大で「火山の島」と呼ばれるハワイ島にある火山。1983年以来、断続的に噴火活動が続いており、噴出口見物は日本などからの観光客に人気がある。ハワイの火山観測所によると、噴火は「ハワイ式噴火」と呼ばれ、山腹割れ目から溶岩がどろどろと流れ出るのが特徴。突然大きな爆発を伴うことがないため、今回の噴火でも同島の一部地域のみが退避命令の対象となっている。(パホア共同)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「キラウエア火山」の意味・わかりやすい解説

キラウエア火山
きらうえあかざん
Kilauea Volcano

ハワイ諸島の南東端、同諸島中最大のハワイ島南東部を占める玄武岩質の活火山標高1222メートル。島の中央部にあるマウナ・ロア山、マウナ・ケア山と同様に、傾斜が平均6~7度の緩やかな楯状(たてじょう)火山で、ハワイ・ボルケーノズ国立公園(1916年指定)になっている。

 頂部には、陥没で生じた径約3キロメートルのカルデラがあり、中央部には「ペレー(火山の女神)の宮殿」と称される径約1キロメートルのハレマウマウ火口がある。この火口は、1823~1924年にはほぼ常時噴火を続け、溶岩湖が絶えず存在したが、以後もしばしば噴火。また、この山頂火口から南西および東に延びる隆起した弱線(リフトゾーン)から割れ目噴火が頻繁におきる。1983年からは東リフトゾーンでほぼ連続して噴火がおこっている。溶岩は広く南の海岸まで埋めつくし、海岸線を前進させた。噴出時の溶岩の温度は1100~1200℃程度で、ごく流動性に富むため、激烈な爆発はほとんどおこらず、溶岩噴泉、溶岩流を生じ、溶岩湖もよく出現する。割れ目噴火では、溶岩噴泉が数珠(じゅず)つなぎ、ないし連続的に数キロメートル以上も連なることが多く、「火のカーテン」とよばれる。

 キラウエア火山の噴火は観光的価値が大きいが、ときにはおもに溶岩流で被害を生じ、1960年の山麓での噴火では、日系人が大半を占めるカポホ町が全焼した。また、溶岩流入で新しく形成された海岸部が崩壊する災害も、ときどきおきている。山頂カルデラの縁にあるハワイ火山観測所は1912年に創設され、世界でもっとも充実した総合的な火山観測所の一つである。

[諏訪 彰・中田節也]

『白尾元理著『火山とクレーターを旅する――地球ウォッチング紀行』(2002・地人書館)』

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知恵蔵mini 「キラウエア火山」の解説

キラウエア火山

米国ハワイ州のハワイ島南東部に位置する活火山。傾斜の緩やかな楯状火山で、標高は約1250メートル。およそ30~60万年前に火山活動が始まったとされ、有史以来、数多くの噴火が記録されている。1983年に始まった噴火は2014年現在も続いており、断続的に溶岩流を噴出させている。キラウエア火山を含むハワイ火山国立公園は1987年にユネスコの世界自然遺産に登録され、ハワイ島を代表する観光地となっている。

(2014-10-31)

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